第152話 カウンセラーになりたい

 次の患者は三好悠23歳である。

渋沢吾郎:どうしましたか?

三好悠:カウンセラーになりたいけど「あなたには無理」だと言われました。その方は同じくカウンセラーをされていて、私の良い部分も悪い部分もよく知っています。

理由は、私は優しすぎるから。心が引っ張られてぐったりとしてしまいます。それで人の心を扱うのは身体がもたないよと。「やりたい仕事とできる仕事は違うよ」と言われてショックを受けてしまいました。やはり、向き不向きがあるのでしょうか。鍛錬しても出来る可能性はないのでしょうか?私は人が困ってると放っておけません。

人の影響は受けやすい方だと思います。変われるのなら、変わりたい…。

渋沢吾郎:人と言うのは常に成長できる生き物です。それゆえ、あなたが自分を信じて、一生懸命勉強して、人の行動を分析できるようになれば、できると思います。人は優しさで救われる部分が大半です。ですので、あなたのような人は貴重なんです。ですので、頑張ってみたらどうですか?

三好悠:そういっていただけると嬉しいです。ありがとうございます。

 と、三好悠は帰っていった。

 そして夜、吾郎は清子と話した。

渋沢吾郎:カウンセラーになりたいという子が来たよ。

渋沢清子:どうしたの?

渋沢吾郎:もちろん励ましたよ。一瞬自分のところに働かせるか迷った。

渋沢清子:優しい人かあ。カウンセラーは正しさじゃなく優しさだよね。

渋沢吾郎:だが、甘いのと優しいのとは違う。そこの区別ができないとな。

渋沢清子:微妙だね。

 と、吾郎と清子は抱きながらビールを飲んで話していた。






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