第132話 消防士の夫が心配
次の患者は橋本智子26歳である。
渋沢吾郎:どうしましたか?
橋本智子:消防士の夫と結婚して2年になります。夫とは同い年で26歳で、消防歴4年目です。住んでいる地域は田舎なのでそれほど火災件数は多くありませんが、火災があると毎回のように、「火から○メートルまで近づいて熱かった」「活動中に火が燃え上がって危なかった」「(山火事の時は)斜面から滑って危なかった」等と、危険な状況だったことを笑いながら話してきます。それが本当なのか、大袈裟に言っているのかは分かりませんが…。危険な仕事とはわかっていますが、それを笑い話にして家で話されることにモヤモヤしています。なぜ心配をかけるようなことをわざわざ話してくるのか理解できません。しかし家で仕事の話を話すなとも言えずにいます。
半年後には第一子も出産予定で、尚更、もう少しこちらが心配してるということもわかって欲しいのです。正直、話を聞いていると心配になるので、家で仕事の話はしないで欲しいです。ただ、仕事の愚痴等もあるでしょうし、消防士の妻として、黙って聞いているべきでしょうか。それとも、心配をかけるような話をしないで欲しいと言うべきでしょうか?
渋沢吾郎:自分のことは妻には話したいのでしょう。ちゃんと聞いてあげて下さい。
橋本智子:そういうものなんでしょうか?
渋沢吾郎:私なら自分の仕事を妻に話しますけどね。
橋本智子:でも、心配なんです。
渋沢吾郎:心配なら昇格試験を受ければいいと思います。立場が上になれば現場へ直行する機会も減りますから。
橋本智子:なるほど。
渋沢吾郎:それに給料も増えますしね。
橋本智子:わかりました。ありがとうございました。
と、橋本智子は何かを思いついたように帰っていった。
そして夜。吾郎は清子と話した。
渋沢吾郎:なあ、清子。妻は夫の仕事を把握しておくべきだよな。
渋沢清子:あなたも、私の仕事も把握しているよね。
渋沢吾郎:そういう所から絆が生まれると思うんだけどな。
渋沢清子:私もそう思う。
渋沢吾郎:ああ、今日も清子と夜の仕事をしたい。
渋沢清子:Hって仕事?
渋沢吾郎:体力使うからな。
渋沢清子:私も使ってるよ。
渋沢吾郎:なんか生きること自体が仕事だな。
渋沢清子:そうだね。でも、楽しい仕事でしょ。
渋沢吾郎:もちろん。
と、今日も吾郎と清子は夜を楽しんだ。
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