第79話 仕事と休息と婚活
次は山口友子34歳という患者が来た。
渋沢吾郎:どうですか?
山口友子:どうも急にやる気が起きなくなって、自信を失っています。
渋沢吾郎:仕事でもうまくいかなくなったんですね。
山口友子:はい。自分でもなんでやる気がないのかわかりません。
渋沢吾郎:結婚はしていますか?
山口友子:独身です。
渋沢吾郎:これは仕事疲れもありますが、性的ストレスも大きいと思います。1人でいるのに限界を感じてはいませんか?
山口友子:確かに1人で生きるのに限界を感じます。今までは仕事一筋でやってきたのですが、急に自分がだめになった時、頼るところがありません。
渋沢吾郎:私的には婚活をすすめますがどうですか?
山口友子:でも、もう34です。
渋沢吾郎:だから今のうちにということです。
山口友子:確かにそうですね。
渋沢吾郎:あと、あなたが今まで1人でいたのはプライドが高かったせいでしょう。いい男しか興味がないという性格で、多くの出会いを逃したのでしょう。
山口友子:はい。相手の性格にこだわりすぎました。
渋沢吾郎:人は一緒になってから初めてわかることがたくさんあります。周りの人を見てわかりませんか?恋人がいる人といない人の区別が。
山口友子:確かに違いますね。仕事のへの意気込みが違います。
渋沢吾郎:あなたは管理職ですか?
山口友子:はい。そうです。が、なんでわかったんですか?
渋沢吾郎:他の職員の仕事の意気込みを見ているからです。それは置いておいて、あなたはとにかく今は疲れで限界です。休みをとって婚活したらどうですか?
山口友子:しかし、そんなことができるのですか?
渋沢吾郎:今の社会は医師の診断書があれば、休暇がとれる仕組みになっています。
山口友子:わかりました。仕事を頑張りすぎたので、休んで婚活するようにします。
と、山口友子の診断は終わった。
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