第61話 小説家は仕事が欲しい

 今日の患者は鍋島幸弘37歳である。

渋沢吾郎:どうしましたか?

鍋島幸弘:私の作家業が成功しません。

渋沢吾郎:なるほど。少し作品を見てもいいですか?

鍋島幸弘:はい。

 吾郎は幸弘の作品を見た。

渋沢吾郎:この「カウンセラー太郎」という物語は独特ですね。私の性格に似ています。

鍋島幸弘:なんで成功しないんでしょう。

渋沢吾郎:私が見るに成功してもおかしくない作品だと思います。

鍋島幸弘:誰かに盗まれているんですかね。

渋沢吾郎:なるほど。

鍋島幸弘:仮にある人に盗まれていたとしても、その人の作品にはなりません。その人は性行為を表現する人ではありません。

渋沢吾郎:なるほど。見抜いていますね。

鍋島幸弘:しかし、私には職が今、ありません。精神病扱いされて実力を発揮できないのが目に見えています。

渋沢吾郎:自分が活躍できる仕事が欲しいわけですね。

鍋島幸弘:はい。

渋沢吾郎:なら、私の病院でカウンセラーをやってみませんか?

鍋島幸弘:いいんですか?

渋沢吾郎:資格は持っていますか?

鍋島幸弘:民間の資格ならありますが、

渋沢吾郎:なら、私の病院で共にカウンセラーをやっていきましょう。

鍋島幸弘:ありがとうございます。

 と、鍋島幸弘はお礼をして去った。

 その夜、吾郎と清子はいつものように患者について話した。

渋沢清子:しかし、あなたはどんどん人を吸収するね。

渋沢吾郎:俺にも夢があるからな。

渋沢清子:企業を作りたいという夢でしょ。

渋沢吾郎:ああ。俺は、いろんな人を助けたい。だから、そんな可能性のある人はどんどん助けたい。

渋沢清子:人は仕事が生きがいだからね。

渋沢吾郎:そんな俺にまた惚れた?

渋沢清子:あなたって調子いいね。

渋沢吾郎:清子がいるから調子いい。

渋沢清子:そう持っていくのはなんかごまかされててもいい気分。

渋沢吾郎:じゃあ、今日もいい気分になるためにいつものプレイを始めるか?

渋沢清子:今日は安全日だからじゃんじゃん出していいよ。

渋沢吾郎:清子も好きだね。

渋沢清子:あなたがH中毒にさせたんじゃないの?

渋沢吾郎:清子。愛してる。

渋沢清子:私も。

 と、今日も、吾郎と清子はドリームナイトを過ごした。

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