第58話 気づかないうつ病
次の患者は和田秀一、二十七歳が吾郎の診療所にやってきた。吾郎はいつものように、
渋沢吾郎:どうしました。
和田秀一:それが自分でもよくわからないんですよ。
渋沢吾郎:どういうことですか。
和田秀一:体調の不良を家族に話すと病院へいったほうがいいといわれて行き、検査してもらったら何も出てこないので先生のところへ来たのですが。
渋沢吾郎:体調はどのように不良なんですか。
和田秀一:なんと言うか心はやる気十分でも体がついてこない。そして、頭もついてこない。だから、当然集中力が欠けてきているんですが。
渋沢吾郎:それであなたはこの状態をどう見ていますか。
和田秀一:ただの疲れだと思います。自分の忍耐力や意志の力が足らないだけです。
渋沢吾郎:そうですか。そういう症状は実はうつ病なんですよ。
和田秀一:そうなんですか。
渋沢吾郎:そうですね。
和田秀一:そのままいくとさらにひどくなります。なぜでしょう。
渋沢吾郎:自分は病人だという事を意識してないからです。たとえて言うなら骨が折れている状態で運動しているのに気づかない。このような人は数多くいます。うつ病にかかりやすい人は性格は真面目で自分の厳しく責任感が強い人です。
和田秀一:そうですか。それで自分はどうしたらいいのでしょうか。
渋沢吾郎:和田さんの場合は休息をしっかりと取る事です。あとがんばり過ぎないようにして、自分を大事にしてください。
和田秀一:わかりました。
吾郎は他の診察も終えて今日の診察が終わった。
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