第46話 矛盾
次の患者は青山則之38歳である。
渋沢吾郎:今日はどうしました?
青山則之:自分は社会で苦しんでいます。この社会は矛盾だらけです。
渋沢吾郎:そうです。この社会は矛盾があるから病になる人が多いのです。で、その矛盾は社会だけではなく人間の中にもあるのです。人はプラスとマイナスの要素を持ち合わせています。そして、そのマイナスとプラスの組み合わせで人間は成り立っています。これはコンピューターに照らし合わせると、コンピュータの思考回路は2進数なんです。0と1の組み合わせです。それと同じなんです。なぜ、無住と追うのが存在するか。それは物は永遠ではないからです。生成と崩壊の繰り返しなんです。矛盾はまさに崩壊の予兆であります。そして再び再生したものは進化と呼びます。世の中はそういったものの繰り返しなのです。どう思いますか?
青山則之:たしかに、理論的に言えばそうですが・・・・・・。
渋沢吾郎:また、矛盾が世の中にあるのは、また、感じるのは、それはまさに物事は変化している証拠なのです。そして、その変化は次への成長のためなんです。また、人は磁石のようなもので、磁石にS極とN極が存在するように、全て物もにはプラスとマイナスの両方があるのです。マイナスがあるからプラスが無いということはありません。また、プラスだけに世界もありえません。マイナスがあるからプラスを感じる、またはわかるのです。どうでしょうか?
青山則之:なるほど。渋沢先生は世の中のしくみを語っている気がします。つまり、自分や、社会にマイナスがあっても気にするなということですか?あって当然ということですか?
渋沢吾郎:しかし、そのマイナスはプラスのためのもので無ければいけません。進化のためでなければマイナスはマイナスで終わるのです。
青山則之:非常に科学的な社会論は渋沢先生の特徴ですね。
渋沢吾郎:まあ、世の中矛盾があるのは自然の法則で、一番大事なのはその矛盾をどう消化して進化する、つまり乗り越えるかが大事だと思っています。
青山則之:ありがとうございます。なんかすっきりしました。
渋沢吾郎:では、これでいいですね。
と、青山則之とのカウンセリングは終わった。
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