第22話 失恋での鬱(後編)
宇喜多加奈子と話した数日後、吾郎は松山敦志と連絡が取れた。
渋沢吾郎:こんにちは。急な電話で恐れ入ります。
松山敦志:話は携帯の録音で聞きました。加奈子のことですね。
渋沢吾郎:はい。私は心療内科をやっていまして、心のケアーを専門にカウンセリングを行っているんですが、加奈子さんの鬱をなんとかしたいと思いまして。
松山敦志:そうですか。本当のことを聞きたいということですね。
渋沢吾郎:はい。
松山敦志:しかし、問題はどうしょもないところに発展まして。
渋沢吾郎:子供のことですか?
松山敦志:いえ、違います。子供のことは嘘です。自分は別れるしかないと思ったんです。
渋沢吾郎:なんでまた。
松山敦志:私は鬱になりまして、仕事が首になりました。もう彼女を養う力はありません。
渋沢吾郎:そうですか。仕事が首になって彼女と別れようと思ったわけですね。辛いことがおこったのにさらに辛い選択を選んでんですね。
松山敦志:はい。見捨てられるのが怖かったんです。
渋沢吾郎:そうだったんですか。私は加奈子さんの話しを聞きまして、あなたは彼女にとっての心の支えなんです。会社を首になって別れを切り出す人じゃないと思います。
松山敦志:そうなんですか。
渋沢吾郎:そうです。ですからもう一度彼女と会って見ませんか。
松山敦志:・・・・・・。はい、会って見ます。
と、敦志と加奈子は再び吾郎の診療所で会った。
宇喜多加奈子:敦志さん会いたかったのよ。どうして本当のことを言ってくれなかったのよ。別れる方がもっと辛いでしょ。馬鹿。(涙)
松山敦志:すまん。仕事を首になったら見捨てられると思って。
渋沢吾郎:では二人ともこれからは支えあいながら付き合うことは同意しますか。
宇喜多加奈子:はい。
松山敦志:もちろんです。
渋沢吾郎:では話が早い。実はですね。私は新事業を行おうと思いまして、人材が不足しています。そこで私の会社で働いてみませんか?
松山敦志:本当にいいんですか?
渋沢吾郎:はい。
松山敦志:ありがとうございます。
宇喜多加奈子:渋沢先生。本当にありがとうございます。
と、二人は感謝して帰って行った。
その夜、吾郎と清子は家で雑談をしていた。
渋沢吾郎:イヤー。加奈子さんの問題片付いてよかったよ。
渋沢清子:そうね。敦志さん。加奈子さんのこと思っていたんだね。
渋沢吾郎:自分を人のために悪者になるなんて辛いだけなのになあ。
渋沢清子:でも、この2人は結婚する気がする。
渋沢吾郎:仲人頼まれたりしたりしてな。
渋沢清子:で、あなたは誘われたら行くの?
渋沢吾郎:もちろん。で、若い男女が結ばれた話っていう記念として、今日も大人の夜をやらないかい。
渋沢清子:家の中でキャバクラごっこでもやるの?
渋沢吾郎:清子って今日は飲みなのか?
渋沢清子:そう。カクテルバーよ。そして酔っている私をあなたがベットに連れて行くのよ。
渋沢吾郎:では、早速。
渋沢清子:酔う前からいきなり私をベットに連れて行くの?
渋沢吾郎:だって。時間もったいないじゃん。
渋沢清子:しょうがないわね。今日も素敵な思いをしましょうね。
と、二人はドリームナイトを過ごした。
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