イデア・ワン FULL

作者 前島ケイ

91

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Good!

最初は現実と地続きの未来を想定するタイプのSFかと思ったのですが、そうではなくロマンチックなファンタジーです

ここではコンタクトレンズ型に代表される視覚表示拡張端末があるかと思えば、別形態がメガネだったりはせずにスマホやテレビも登場するというなんともちぐはぐな世界観が展開されます、宇宙が見えなくなったり意識が拡張先にジャンプしたまま帰ってこなかったりするのは正直ありえないのでファンタジーです

(生身の脳で実行される主体と、拡張先が分離する、というのならありえそう、もしくは産まれてからずっと繋ぎっぱなしで生身の脳が担当する領野に極端な偏りが出ていたり、高齢で生身の脳が死に体ならば植物状態も想定できます
けれど作中そうなるのは成長途上の男の子で、それほど期間も経っていないため、考慮から外しました)

し か し

しかし
作者が描きたいのはそういう事ではありません(謎の断言)
作中“最適解”なるワードが出てきました
私はこの言葉が人間に対応させるにはしっくりこなかったのですが無難に“適応”と受け取って処理しました
進んでいく世界や変遷する価値のなかで如何によい適応、
基底現実を捨てず、また目と耳を塞ぎこむようなオールドタイプに陥らず
未来を求め、楽しみ続ける姿勢とはどのような形か?
変わっていく人間のありかたと
“よい”とは何か?と追求する理念
変えるべきでない理念とは何か?

そういったものにこの話は考えを向けさせてくれました
ちくしょう、でも現実の俺は農業なんてしてねぇよ…

私はSFが好きですがメルヘンも好き(認めたくはないが)なので、この話はSFとしては致命傷のガバがあってそこをつついてくる人が出てきそうですが、いい話だとおもぃます☆アタシはすき
だからレビュー書いた

★★★ Excellent!!!

近未来。人の思考を全面的に補助・補完する機械――イデア・ワンが社会に浸透していた。そして、イデア・ワンのプロセスは次の段階へ。


SFに多少なりとも興味があるなら、のめり込んで読むこと間違いなしだと思います。この物語を読んでから私たちの現実世界をもう一度視て、考えると、また違った見え方がするかもしれません。

私はこちらから読んでしまいましたが、『イデア・ワン』から読み、そのラストの余韻を残してからこちらを読むと、より深く楽しめると思います。

★★★ Excellent!!!

 『イデア・ワン』を最近読んだばかりだったので、前回の終わり方が記憶にあり、それが今回のトゥルーエンド的な切ない結末に対する感動をさらに深めてくれました。
 主人公が最後に自分の選択をすることができたのは、仮想世界に入る前の原始的な祈りが影響していたのではないかな、と思いながら読みました。

 未読の方は、是非『イデア・ワン』をお読みになってから、こちらをお楽しみいただきたいです。