第136話 7月21日(土)レボ部の仕事

 どうも清彦です。今日から夏休みということで、心機一転した感じです。今日からレボ部は仕事をすることになりました。どういう仕事なのでしょうか。舞台は阿曽部の家から。

佐々木:では、みんな今週は何をしたい?

阿曽部:デモンストレーターがいいんじゃないか?

秋山:なるほど。じゃあ、それは阿曽部の会社の系列のスーパーで働くことになるね。

佐々木:というわけで、早速スーパーへ行くぞ。

 とレボ部は阿曽部のスーパーでデモンストレーターをやることになった。

阿曽部:で、みんな。どういう商品のデモンストレーターをやりたい?

川村:私は豚カツ。

宮下:私は寿司。

長崎:朕はインスタントラーメン。

名取:私はカレーライス。

朝霧:私は新種のクールミントガム。

秋山:僕はパン。

助平:俺はラブホテルのチケット。

亀山:私はコーヒー。

 と、この8人はその担当につくことになった。後の者は雑用である。

 まずは愛ちゃんのデモンストレーターです。

川村:豚カツはいかがですか?受験にカツ、体力にカツ、のカツです。ちなみに豚カツもいかがですか?

お客さん:試食はできますか?

川村:もちろんいいですよ。何か充実感が湧いてきましたよね。カツだから充実できるのでしょうか。

お客さん:冗談うまいね。

川村:人生はカツことに意味があると思います。カツを食べるとやる気が出ますよ。

お客さん:そりゃ食べれば体にエネルギーが入る。

川村:では、いかがですか?人生にカツという意味で豚カツをお勧めします。

お客さん:なんか勝ちたい気持ちになってきたね。それを2切れもらうわ。

川村:ありがとうございます。

 そして愛ちゃんは掛け声を言った。

川村:明日が明るくなるカツはいかがですか?カツでだけに運気が上がります。粘り強さが出ます。カツはいかがですか?試食コナーもあります。

 と、愛ちゃんは苦戦をしていた。

 次は美華ちゃんの寿司コーナーです。友子ちゃんと雪絵ちゃんは美華ちゃんと一緒に働いていた。

宮下:お寿司はいかがですか?

増田:この寿司はおいしいですね。

小山:これって本当においしいですね。試食にしたらもったいない。

 そう、友子ちゃんと雪絵ちゃんはお客のサクラをやっているんだ。

宮下:うちのトロはとろける味ですよ。

増田:これっておいくら?

宮下:いくらはいくら?ってことですか?大サービスで1つ100円です。そこのきれいなお姉さんは寿司はいかがですか?

30代の女性:お姉さんかあ。あなたかわいいわね。おいくつ?

宮下:12です。ので12個買ってください。

30代の女性:子供の割には商売上手ね。

宮下:これでも私、寿司握れますよ。欲しいものがあればこの場でお作りします。新鮮さが売り物ですから。

30代の女性:じゃあ、エビとマグロとシャケをお願い。

宮下:かしこまりました。

 と、美華ちゃんは手際よくすぐに寿司を握った。

宮下:毎度ありがとうございます。

30代の女性:子供でここまで働くとはよっぽどお金がないのね。かわいそうだからここにある納豆巻きも買っていくわ。

宮下:ありがとうございます。

 と、30代の女性は去っていった。

増田:なるほど。貧乏さを出せば同情されて買われるのね。

小山:私、美華の商売のやり方はじめて分かった。

増田:12歳というのはなんかもったいない気がするよね。

小山:でも、美華は全然貧乏じゃないんだけどね。

増田:それにおばさんというのではなくお姉さんというのもうまいわよね。

小山:助平さんだったら、そこの素敵な美人のおばさんと言いそうよね。

宮下:そこの2人遊んでないで手伝ってよ。

増田:私たちはサクラよ。サクラらしくやって何が悪いの?

小山:それって完全な逆切れというより詭弁よね。

 で、次はチャンポンのインスタントラーメンのデモンストレーションである。

長崎:ラーメンはいかがですか?長崎チャンポンの次にうまいインスタントラーメンはいかがですか?

阿曽部:チャンポン。さりげなく自分の店の宣伝していない?ちゃんとうちの商品打ってもらわないと困るんだからさあ。

長崎:わかった。わかった。ラーメンはいかがですか?試食もできます。笑いながら食べたら鼻から面が出てくるかもしれません。

阿曽部:チャンポン。まじめにやってよ。

長崎:わかった。おいしいおいしいラーメンはいかがですか?コーヒーの後にラーメンはいかがですか?

阿曽部:チャンポン。コーヒーの後はさすがにラーメン食べないよ。

長崎:なかにはいるんじゃないか?世の中は広い。

阿曽部:チャンポン商品はより多くの人が買ってもらうようにしなければだめなんだよ。勘弁してよ。

長崎:わかった。違うパターンを行こう。のど自慢を見ながらラーメンはいかがですか?笑っていいともを見ながらラーメンはいかがですか?また、時間がたてばのびのびできるかもしれません。

阿曽部:時間がたったらラーメンが伸びちゃってのびのび?

長崎:歯ごたえあり、くちざわりよし。のどにすっきり通る。そんなラーメンはいかがですか?

阿曽部:だんだん様になってきたよ。

長崎:さあ、ラーメンを食べて今日も一日幸せになりませんか?幸せになって意識が遠くなることはありません。

阿曽部:チャンポン。余計なことを言わないの。意識が遠くなるほどおいしいといわなきゃダメ。

長崎:そう、まさに極楽浄土のお味はいかがですか?

阿曽部:あの世に行ってどうするの?

 次は静香ちゃんのカレーライスのデモンストレーションである。

名取:カレーはいかがですか?お好みのトピックもございます。そこのお兄さん。カレーはいかがですか?燃えてきますよ。

そこのお兄さん:口から火でも吐くのかい?どれくらい辛いんだ?

名取:情熱が出るくらいです。

そこのお兄さん:で、彼氏はいるの?

名取:います。お兄さん残念でしたか?

そこのお兄さん:いや、遊びで聞いただけだぜよ。

名取:でも、お兄さん。この情熱カレー。健康にいいですよ。ダイエットにもいいですよ。生き方が変わりますよ。

そこのお兄さん:ねえちゃん。必至だねえ。なんか一つ買うか。

名取:ありがとうございます。そして、ついでに福神漬けはいかがですか?

そこのお兄さん:カレー以外のものも買えというわけだ。

名取:いえ、無理はしなくてもいいですよ。あと、カレーには牛乳が相性いいですよ。

そこのお兄さん:お姉さん商売根性あるね。

名取:根性が私のとりえですから。

そこのお兄さん:いやあ、思わず情熱が出てきたけど、彼氏がいるんじゃなあ。しょうがない。

名取:いえ、お兄さんは私のカレーを買ってくれたから、きっといいことありますよ。

そこのお兄さん:どんないいこと?

名取:情熱カレーで彼女をゲットというコーナーがそのうちできますので。

そこのお兄さん:ほんとかよ。

 で、次は朝ちゃんのクールミントガムのデモンストレーションです。

朝霧:ミント、ミント、クールミント、楽しく踊ろう、クールミント、優しくしよう、クールミント、仲良くやろうクールミント、ミントで友達クールミント。キスの前にはクールミント・・・。

前田:朝ちゃん乗ってるね。歌で誘うのね。

朝霧:これからが本番よ。ミント、ミント、クールミント。がっちし決めようクールミント。優しさの中身はクールミント、おまけに胃袋の中身もクールミント。クールミントで決めましょう。

 と、そこにお客さんが来た。

お客:お姉さん。その歌どこで覚えたのかい?

朝霧:即興で作りました。

お客:君の名は

朝霧:朝霧です。

お客:朝霧さん。その曲をCMで流しませんか?

前田:えー。

朝霧:本当にいいのですか?

お客:これでも私は食品会社の企画部の主任なんだよ。

朝霧:クールミントでラッキー、ハッピーって感じです。

お客:では、私の名刺を渡すのでこのメールに朝霧ですとメールしてくれませんか?

朝霧:わかりました。

阿曽部:ちょっとお客さん。朝ちゃんはうちの会社の者なんですよ。

朝霧:阿曽部君。なんでここに来たの?

阿曽部:見回り。

お客:いま、阿曽部と、阿曽部コーポレーションの阿曽部さんですか?

阿曽部:そうです。

お客:失礼しました。クールミントの曲が面白かったのでそれをCMに流したいと思っていまして。

阿曽部:なるほど。でも、朝ちゃんは僕の彼女だからあきらめて下さい。

お客:いえ、そういうことではありません。

阿曽部:実はそのネタはすでに使っているので新しいCMのフレーズはどうですか?

お客:私はそのクールミントガムの歌がいいと思ったんですよ。

阿曽部:なるほど。

前田:阿曽部君。いい話なんじゃない?

お客:お願いしますよ。

阿曽部:みんなと協議して考えます。名刺はこれですね。

お客:ありがとうございます。では、今日はこれで失礼します。

 とそのお客はクールミントのガムを1つ持っていった。

前田:阿曽部君。こんなこともあるんだね。

阿曽部:まさか、こんなところにスカウトが来ると思わなかったよ。

朝霧:クールミントパワーだね。

阿曽部:これはおいしい話だなあ。これはみんなに言った方がいいよね。

朝霧:そして自慢しようね。

前田:でも、CMといってもガムだけにキスシーンがあったらどうするの?

朝霧:相手は阿曽部君よ。

阿曽部:みんなの前でキスするの?

前田:嫌なの?

阿曽部:こういうのは助と愛ちゃんにやらせればいいんじゃない?

前田:でも、クールミントの歌は朝ちゃんじゃないとうけないよ。

阿曽部:人生こんなこともあるんだなあ。

朝霧:阿曽部君。キスはまだ決まってないよ。

阿曽部:そうだね。話が発展しすぎたね。

 次は僕のバンです。

秋山:パンはいかがですか。銃声ではありません。食べ物のパンです。

神山:清彦君。売れ行き。

秋山:ぼちぼちだね。

神山:ここはお墓じゃないよ。

秋山:それは墓地。で、ぼちぼち売ろうよ。

神山:お墓で売るの?

秋山:違うよ。まあ、とにかく売ろう。「パンはいかがですか」「焼きたてです。」「ふんわりしています。」「食べたらやめられません」「とにかくいかがでしょうか。」

お客さん:あの。このパン落としちゃったんだけど。

秋山:こちらで何とかします。

神山:で、どうするの?

秋山:鳩のエサだね。

神山:でも、パンが2個あったら助になっちゃうね。

秋山:パン2というわけかあ。でも、助はそんな生ぬるくはないよ。

神山:で、パンは2つ以上から割引があるというのはこの店独特よね。

秋山:阿曽部の店は商売上手だからね。

 と、僕と美子ちゃんとはこんな感じだった。

 次は助のラブホテルのチケットの販売である。

助平:なあ、サスケ。正直、この仕事失敗と思っている。

佐山:まあ、ものの見事に敬遠しているからなあ。

助平:単なるホテルのチケットにすればよかった。

佐山:助。なんかあの2人脈ありそうだぞ。

助平:いってみるか。

 と助とサスケはその2人のところへ行ってラブホテルのチケットの割引券を渡した。

助平:サスケよ。割引券を配るので限界だな。

佐山:だが、デパートで配ること自体間違っている気がする。

助平:いや、これはれっきとした間違いだ。

佐山:こういう時のために裏技を用意してきた。

助平:なんだ?

佐山:くじ引き。を持ってきた。

助平:ほう。

佐山:で、1等がラブホテルの割引券、 2等がコンドーム で、外れはティシュ。

助平:なんかティシュは今回ばかりは特別扱いだな。

佐山:どう?

助平:やってみよう。

 と、助とサスケのデモンストレーションが始まった。

助平:さあ、みなさんただでくじが引けます。いかがでしょうか。

佐山:ホテルが当たるかもしれません。これを見逃すチャンスなし。

助平:みんなでくじを引けば怖くない。さあ、この究極のくじの挑戦者はいないか。

 だが、誰も来なかった。

佐山:どうもだめだなあ。セリフを変えよう。

助平:いや、若いあんちゃんを狙っていこう。

 と、サスケと助は若い男、もしくはカップルにはじからくじ引きへの誘いが始まった。

 助はある男と話をした。

助平:ねえ、あんちゃん。どうだい。ホテルのサービス券ですよ。

ある男:いや、相手がいないんだしょうがない。

助平:いや、今はデリヘルっていうものがあるじゃないですか。

ある男:君いったい何歳なんだ?高校生にしか見えないが。

助平:童顔なだけです。ところでくじ引きだけしていきませんか?ハズレはないので。

ある男:ティッシュは思いっきりハズレじゃねーか。自分一人でやれってか。

助平:そうじゃないですよ。

ある男:まあ、くじをやるだけやってみよう。

 そして、その男はくじを引いた。3等のAKB48の生写真だった。

ある男:おー。まさか、ここでAKB48とは・・・。君たち商売上手だね。

佐山:ありがとうございます。

ある男:俺的にはAKB48が一等でも十分だと思う。この話みんなに知らせよう。

 と、あっという間にくじ引きのことが広まり、若い男の行列ができた。

助平:まいったなあ。おまけが本業になっちゃったよ。

佐山:この際、やるだけやっていよう。

 と、助とサスケは見事ラブホテル割引券を100枚みんなに渡した。

佐山:作戦勝ちだったな。

助平:だが、やけに妙な男だらけで異様な空間だったな。

 次は恭子ちゃんのコーヒーのデモンストレーションです。

亀山:コーヒーはいかがですか。コーヒーの苦さは人生の苦さを語っています。コーヒーと人生を語り合うのもいかがですか?

お客:君。面白いこと言うね。このコーヒー試食していいかね。

亀山:はいどうぞ。

お客:人生は確かに苦いねえ。君は若いのに苦いのかい?

亀山:いえ、一般論です。

お客:なんかこのコーヒーを飲むといろいろ語りたくなるなあ。

亀山:何でも語ってください。

お客:私の自慢話でいいかね。

亀山:はい。

 と、そのお客は自慢話を言い出した。内容はつまらないので削除します。

亀山:なんか人生を達観していますね。

お客:そりゃ私はこう見えても50代だからな。

亀山:で、コーヒーは買っていきますか?コーヒーは人生を物語ります。落ち着いて人生を考えるのには非常にいいと思います。

お客:君。うまいこと言うね。高校生なのにどこからそのような考えが出てくるんだ?

亀山:脳です。

お客:ははは。お姉ちゃん面白いねえ。気にった。コーヒーを買っていこう。

亀山:ありがとうございます。

 と恭子ちゃんはこんな感じだった。

 で、そんなこんなで夕方までみんな働いたんだ。そして仕事が終わってみんな集まった。

佐々木:どうだ。みんな仕事もいいもんだなあ。

朝霧:私なんかCMの誘いまでされたよ。

川村:それってどういうこと?

阿曽部:朝ちゃんの掛け声の歌が他の企業の商品開発部の目にとまったってわけ。

佐々木:そうか。では次はCMをやるか。

阿曽部:CMは明日はできないよ。スタンバイに時間がかかるから。

佐々木:じゃあ、明日は何の仕事をやろうか。

助平:CMがだめならSM?

川村:なんでそっちへ行くわけ。

秋山:じゃあ、SMがだめならSF?

助平:意味が分からん。

秋山:SFのCMだよ。

助平:なんで説明ができるんだ?

阿曽部:わかったよ。CMそんなにしたいんなら、明日はCMの仕事にしよう。

助平:さすが阿曽部。

亀山:なんか阿曽部君って何でもアリだね。

 とこんな感じに今日のレボ部は終わった。また明日お会いしましょう。

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