第326話
「――どうしましょう」
まさかの大問題が発生。
これはかなりのピンチなのでは……打開策を考えるしかない。
私が考えてるときに、部屋の扉が数度ノックされてお父様の許可によりセバスチャンが部屋に入ってきた。
「教皇アリア・スタンフォール様と神殿騎士長コルク・ザルト殿がお目見えになっています」
え?たしかアルゴ公国からリースノット王国まではかなりの距離があるはず。日本とインドくらいの距離があったはずだけど……たった数日でここまで来れる物なのだろうか?
「分かった。すぐに教皇アリア・スタンフォール様と神殿騎士長コルク・ザルトを通してくれ」
お父様の言葉を聞くとセバスチャンが2人を呼ぶために部屋から出ていき、数分ほどして2人が私の部屋に入ってきた。
「ユウティーシア嬢、もう体を動かしても大丈夫なのですか?」
アリアの言葉に私は頷く。聖女としての契約内容をいろいろと問いただしたい気持ちがあるけどそれは今度で良しとしよう。
「レオナが敵に回ったんだろう?なら俺たちも一緒に行ってやるよ。どうせ神衣が必要になるんだろう?」
コルクが話してくるけど、神衣はお父様やお母様には話してない。
もちろんクラウス殿下にも……。
あれは情報の取捨選択が取れず全て相手に筒抜けになってしまう。
絶対に私が消滅することも伝わってしまう。
それだけは避けないといけない。
「それよりもずいぶんと早かったんですね?教会のあるアルゴ公国からリースノット王国まではかなりの距離があると思っていました」
私の言葉にコルクがその顔に笑みを浮かべて窓の外を見るように促してくる。それに従うように窓の外を見る。
「――え……ええ!」
この世界に生まれて一番の衝撃だったかも知れない。
まるでファンタジー世界を破壊するような代物。
たしかに神代時代の遺跡が残ってるからあるかも知れないとは思っていたことも1%くらいは思っても居なかったけど、実際見るとこれはちょっと……と突っ込んでしまいたくなる。
そう、窓の外には流線型の巨大な飛行船が浮かんでいた。
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