第296話
「ニンゲン!貴様にはワレは倒せん、その女も頂いて孕ませてやろう!!」
「貴様の好きにはさせない!」
バズーが雄雄しく叫んだ。
そして俺を置いてきぼりにしてハズーと巨大なイノシシが会話をしているが俺はそのイノシシを見て思った。体毛が茶色い触手で出来て4本で歩いてるイノシシとか誰も想像できないと。
しかもよく見たらバズーの視線の先にあるシータだけじゃなくて、10人近くの女性があらぬ姿で触手にピーなピーな状態にさせられてる。
大変、対応に困る案件だ、やっと冒険者ギルドのカウンターの女性が男を連れていけと言った理由が分かった気がした。
俺を眼中外においていた2人を横に置いておいて、身体強化した状態で女性たちを助けていく。触手を断ち切り抱きかかえて一人づつ少し離れた場所へと一まとめに寝かせていく。
シータと呼ばれる女性を最後に助け出して地面に置いたのは俺が移動を始めてからわずか1秒であった。本来ならば一人0,1秒で助けるということになると大変な過重が掛かってしまうがそこは重力魔法で発生する物理エネルギーを相対的に相殺させる事で事無きを得ていた。
「あー、ちょっと2人とも良いですか?」
俺の言葉にようやく二人の視線が俺に向けられた。まぁ冒険者と言っても俺みたいな華奢な女を脅威として認識しないのは普通だろう。
「それで、まずはウリボウ君でしたっけ?このように女性に辱めを与えた事はどう思ってるのですか?」
ウリボウとバズーは、俺の言葉を理解できていないようだ。
「クハハハハハ、貴様も苗床になると言うのにずいぶんと大きな態度だな?」
よし、こいつは殺そう。ウリボウの苗床と言う発言にバズーは妹が気になったのだろう。すぐにシータが触手で絡められていた場所へ視線を向けると
「へ?」
と間抜けな声を上げていた。そもそも、熱くなって口喧嘩するくらいならさっさと戦えばいいのに、この男は何をしてるんだろうか。まぁどっちでもいいか……。
「呆けてなくていいです。バズー、このウリボウは売れるんですか?」
「はい!肉が高く売れます」
ふむ、なるほど。だがな……。こういうやつは生かして起きたいとは思えないな。
「そうですか、まぁ必要ないですね」
俺の言葉にウリボウが何か叫んでいるがもう聞く必要もないだろう。世界の事象を改変し魔術を超える魔法を発動させる魔術式をくみ上げていく。組み上げるは物質の崩壊現象その名も……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます