第266話
「大方、生態認証が暴走した子供を育てたくないからって理由で子供を捨てたんだろうさ。その子供を行政がドラゴン処理の為の駒として使うのはよくある事じゃないか」
また訳の分からない単語が出てきたしとてもキナ臭い世界な気がしてきた。
「すいません、何もしらなくて……」
もう勝手に勘違いしておいてもらおうというか、それ以外に方法がない。
「大丈夫よ!聖女リメイラールが貴女を養ってあげるから代わりに夜の営みも手伝って!」
話を聞くほどにリメイラールって女性は危険な気がしてきた。
「とりあえずさ、ドラゴンフィールドダンジョンから出ないか?もう今日は現れないだろ?」
アレルの言葉に草薙とリメイラールは頷いていたが、俺だけがその場で置いてきぼりだった。
「ユウティーシアちゃん、悪いけど町まで移動するからこっちに来てくれる?」
俺は頷きアレルに近づくとリメイラールと草薙も近寄ってきた。
「それじゃ移動するよ!エアリアルブレード!」
アレルが武器を頭上に掲げると景色が一瞬でメタリック色の部屋に切り替わった。
「それじゃユウティーシアさんは、こっちについてきてねー」
と言いつつもリメイラールは俺の手を握って話さない。むしろ掴んでる握力が強くなってる気すらする。俺は3人の後を付いて行くとプシューと言う音を鳴らしながら扉がスライドした。
扉を潜るって部屋から出ると目を見張った。
そこには巨大な空間が存在していた。
巨大な空間の天井には、パネルが設置されていて空の情景が映し出されている。その下には30階建てのビルが数十も立ち並んでおりビルの合間の道路と思わしき所には宙に浮かんでる自動車のような物が走っている。俺はその様子を見て驚きのあまり歩みが止まってしまった。
俺の様子を見てリメイラールは、仕切りに頷いているが目の前の情景のインパクトが強すぎて対応に困る。
「おーい。ユウティーシアちゃん、行政登録するからこっちに来てくれないか?」
アレルが俺の名前を呼んできたのでこれ以上立ち止まってると怪しまれると思い、小走りでアレルに近づく。
「このパネルに手を載せるだけでいいから」
俺は頷き壁のパネルに手を載せるとウィーンとスキャンする音がした後にパネルに情報が表示されていくが俺には読むことができない。
「やっぱり読めないか。行政の怠慢もひどいものだな」
背後に近寄っていた草薙が溜息をつきながらパネルに表示されてる部分を弄っていく。
「こんなもんでいいだろう」
草薙は自分がした仕事に満足していたようだが俺は、草薙が行ったパネル操作が早すぎて理解が出来なかった。
―――音声システムを起動します。肉体構成音素データによりシリアルコード2115……献体コード523番、対神格兵器ユウティーシア・フォン・シュトロハイムと確認が取れました。コード発行は、宇宙開発実験センターです。
「はあ?」
「宇宙開発実験センターって異空間に飲まれて音信途絶してたよね?」
アレルとリメイラールが何やら話していたが……。
「おい、どうして全滅した対神格兵器が自我を持ってここにいるんだ?」
後ろを振り向くと草薙が険しい顔をして問いただしてきた。
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