第261話
「レオナどうですか?」
実は俺には魔法感知関係の魔術とか防御魔術なんてものは一切使えない。つまり今回の探索のメインキャラクターはレオナなのだ。俺の言葉にレオナは頭を振りおかしな現象は確認出来ないと合図を送ってきた。
「なるほど……」
「クサナギ殿どうしますか?」
どうしますかと言われても近づいて調べるか、それとももう一つの方法しかない訳だが。
「そうですね、グラビディランス!」
俺が唱えた魔法にレオナ以外が何だ?と頭を傾げていたが
「何をしようとしてるんですか!何か封印されていて封印が壊れたりしたらどうするんですか!」
レオナは、必至にツッコミを入れてきた。だって、某アニメでも危険物が入ってるようなら爆破処理するのが正しいって言ってたし……。そんなに怒りの形相を見せなくてもいいじゃないですか。俺は仕方なく、グラビディランスを解除する。
「実は、こちらが攻撃魔術を打つ素振りをしたら相手がどうやって出てくるのかを見る為に、わざと魔術を発動したに過ぎません。本気で打つはずはないです」
チラッとレオナの表情を見ると、また適当な事言ってんなーと言う顔で見てきていた。いい加減、俺の考えを読むのは止めてほしい。
仕方なく、古代都市の遺跡外周部から調べていく事にして、ラクダから降りて遺跡を調べていく。外周部だけでも遺跡はかなり広く、広さとしては衛星都市エルノに匹敵するだろう。
「クサナギ殿!探索チームの方が変な石を見つけたそうです」
俺は大声で伝えてきたレオナの元へ向かい、変な石を手に取って色々な角度から見ていく。
「レオナと皆さん、少し熱くなると思いますのが……」
全員に許可を取った後に上空に停滞させていた雨雲を散らしていく。すると太陽の日差しが遺跡に降り注いでくる。先ほどから手に持っている石を太陽の光の下で調べていき上空に掲げた所で向こう側の太陽がボンヤリを透き通って見えた事に気が付いた。
「まさか……これはテクタイト?こんな所に……?」
レオナも探検チームの人も俺の言葉の意味を理解してはいなかったが、俺が手にしてる石は間違いなく砂かガラスが短時間の間に高熱で熱せられた場合でのみ生成された物であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます