第209話
俺とレオナが観戦してる中でアルゴ公国の騎士達が座天使サマエルに突撃をしかけていた。馬上からのランスの突撃という事もありかなりの威力だとは思うが、全て座天使サマエルの前に展開された不可視の防御壁で弾かれている。そして弾かれるだけならいいが攻撃が通らないという事はその物理エネルギーがもろに騎馬兵に帰ってくるわけで次々と落馬していく。
「あれ、やばいな……」
下手しなくても死ぬんじゃないのか?そう思っていた所で聖女アリアとその付近にいる修道女達が何らかの魔術を使ったようで離れた場所で落馬した騎士達に魔術が振りかかるとよろめきながらも騎士達が立ち上がっていくのが見える。
「遠距離回復魔術です。流石は教会、回復魔術を独占してるだけはあります」
「ん?独占?」
普通に初級魔術書とか中級魔術書に回復魔術は載ってたが……。
「回復魔術の使い手というよりも習得できる人間が極端に少ないのです。その事もあり回復魔術の使い手は教会に保護されるのです」
「つまり医療技術を独占して教会の権力を高めようとしているのか」
マジ教会屑だな。滅びればいいのに……。
「クサナギ殿、アレの様子がおかしいです」
「ん?」
俺はレオナに指摘されて座天使サマエルの方へ視線を向けるとその体が巨大化して変異していく。みるみる形を変えていき国技館と同等の大きさはある翼がある龍に変身していた。
「○ら○ラムかよ……」
「なんですかそれは?」
「いや、なんでもない」
それよりもあれだけの巨大な図体になると感じられる畏怖はすごいんだろうな。先陣を切ろうとしていた騎士達とか足並みが止まってるし。まぁ俺にはあまり関係ないからどうでもいいけど、これからの事を考えるとこのまま放置しておくときっとこの町というかセイレーン連邦は地図から消えるんだろうなー。
そうすると無関係な人にまで危害が及ぶ訳だがどうしたものか。現状だと座天使に通じる唯一の技である神衣がリキャストタイム中で使えないしどのくらいで使えるようになるかも想像がつかない。
しかもあいつらを助けても俺を邪神だと言いながら捏造と模造を繰り返す日本の隣国のK国みたいに執拗に嘘を言い触らしそうだし困ったものだ。これならさっさと滅んだ方が良い気もするがうーん。
とりあえず聴力だけ強化して情報収集をするか。
「アリア様、王族と教皇様以下無事に地下施設への退避が完了しました。住民の移動もほぼ完了済みです」
「わかりました。天へ逃れた神々の神兵をここで打ち倒す事こそが我々の使命です、セイレーン連邦に所属する国々へ参戦するように通達してください。あと、ジールへ攻めてる軍も全て戻してください。あれを倒さねば世界が終わります」
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