第198話

「――悔しいけどおいしい!」


ビクンビクンするくらいおいしいかった。


「よかったです。宇宙航海用に作られたジュースです」


ふむふむ。なるほど、エルノの遺跡でも宇宙に行ってたとか言ってたもんな。日本の宇宙機関のJASAが使うような物なのだろう。それにしてもコレ半端なく旨いな。


「これどうやって作ってるんだ?」


出来れば俺も今後のために聞いておきたい。


「はい。主成分は、ミミズとよば「まてえええええええ」」


「何でしょうか?」


俺は飲むのをやめる。今こいつは何て言った?そういえば昔、宇宙航海検証番組があったの思い出した。その時の主食予想はなんだった?思い出せ……。


ま、まさか……俺はさっきまで食べた物の残りに視線を向ける。どう見てもああいうカサカサしてるような物が使われてると言う感じはしないしないが……。


「人間が混乱してるようですので映像にて説明します」


それから俺は精神的にダメージを負った。


食堂を後にした後、俺は胸やけと戦いながら施設内を案内してくれてるロボットの説明を聞いていた。大半の施設はまだ生きておりここは宇宙開発施設と言う事が判明した。そしてやはりここにもコボルトが居た場所と同じ機械が存在していた。部屋に入ると扉がしまり10メートル近く高さがあるホール内に音声が響き渡り始めた。


―――初めまして、本来の人間よ。私はここ宇宙移民管理実験センターを管理する人工システムです。草薙雄哉、あなたの情報は環境開発実験センターのシステムより情報が届いていました。


「―――そうか」


環境開発実験センターね……。そういえばコボルト達はどうなったんだろう?


「訪ねたいんだがいいか?」


―――肯定。


「コボルト達じゃなくて環境開発受験センターのガーディアンはどうなったか知りたい」


―――肯定。


目の前に半透明なモニターが表示され、そのモニターの中にはコボルト達の怪我のない元気な姿が映し出されていた。俺はその姿を見てヒールが効かなかったにと眉を潜めた。


「魔術で治療を施したのか?」


―――否定。魔術は精神エネルギーを取り入れる事が出来るメディデータでしか使用する事は不可能です。よって人間とそれに類する改造を受けた者には魔術を使うための精神エネルギーを取り込む事は不可能。メディカルシステムでの細胞修復を行いました。


「なるほどな……ん?」


今、とても気になる事を言っていた気がするんだが?


「今、魔術はメディデータしか使えないって言ってた気がするんだが俺は使えたぞ?」


―――肯定。本来であれば草薙雄哉が魔術を使用する事は不可能です。ですが因果律に干渉している者がおりその者の干渉により現在、魔術が使用可能となっています。


「だが、魔力が使えなかったぞ?」

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