第175話

あれは仕方なく行っただけで今後、必要がなければ二度としないと心に誓っている。

その都度、レオナは俺に素直じゃないですねーと言ってくるのが困る。

そして一番の問題が


class:女祭騎士

name:レオナ

Level:31

HP:2887

MP:28719

STR:22

DEX:18

CON:22

WIS:33

INT:51

CHA:27


鑑定すると、パステルよりもレベルが低いのにクラスもステータスも俺と融合後に驚異的な上昇率を示している。魔力量で言えば上級魔法師の最低ランクの3倍近い。どこが元の体に再生するんだよと突っ込みどころが満載だ。おそらくパステル自身もある程度は感覚的には気がついてると思うが、真実の鏡でステータスを測るか教会に設置してある魔力測定器を使えばその数字に驚くだろう。最初はレオナのMPとか100ちょいだったし……。


考えていたら気分が楽になった事もあり体を起こし木造のコンテナから降りる。レオナはと言えば指先に小さい氷の塊を10個ほど生成して浮かせている。


「レオナは何をしてるんですか?」


「これですか?これは同系統の魔術を同時に発動させ維持させるための訓練です。何故かは知りませぬがクサナギ殿と合体後に同時に魔術が使えるまで魔力量が上がったのです」


レオナの合体と言う言葉に周囲を歩いてた人間たちの視線が俺とレオナに交互に注がれる。間違いなく勘違いされてる。


「レオナ、言い方に気をつけてください!」


「あ?そういうことですか。あれはとても溶け合うようで気持ちよかったです」


「まて!言い方言い方!!」


すでに周りからは、うそ!ありえない!とか女同士で?とかキャーお姉さまとかいろいろ言われている。続けてレオナが何かを言いそうだったので俺はレオナの手をとって港から市場の方へ走って移動する。


しばらく走った後に近くの飯屋に入り水を注文し届いた水を飲む。レオナは何がおかしかったのか理解していなかったようだから俺は声量を抑えて詳しく教えてやった。とたんにレオナが顔を真っ赤に染めていたが俺の顔も真っ赤だ。どうしても俺がこんな事を説明しないといけないのだろう。

さて、どうしようかと考えた所でレオナが頼んでいたトロル牛のステーキがテーブルの上に置かれた。


「ご注文は以上だね」


そう言いつつ、飯屋の店員さんは離れていった。

船から下りたばかりでよく食べられるなと俺は感心していたが通りから争うような声が聞こえてきた。

もちろん、俺が他人のために動くわけなくテーブルに肘をかけて呆けてるように見せかけて身体強化魔術を使い聴力を上げて外の騒動に耳を傾けていると


「くそが!何が勇者だ!やっちまえお前らー」

「俺の最強のファイアーボールの力を見せてやる!」

「我が剣線、貴様に見切れるか?」

「無駄無駄無駄無駄」

「ま、まさか生き別れた兄さん?」

「この王家の家紋目に入らぬカー」


などなど意味不舞な言葉が色々と聞こえてくる。俺は外で巻き上がりボルテージが上がり続ける騒動を聞くのを止めた。混沌(カオス)すぎてついていけない。


「レオナ、それ食べたらさっさと総督府に戻ろう」


「わかりましたぞ」










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