第140話

それだけ伝えるとグランカスは部屋から出ていったが俺が見ていたであろう魔法書に一瞬視線を向けていたのを俺は見逃さなかった。

翌朝、3人の騎士が動向する事が決定された。


3人とも女性の騎士でアリーシャ、レオナ、パステルという名前らしい。解析の魔法で調べてみたけど全員、魔法の使い手だったんだが……もういいや……あとでグランカス数発殴っておこう。


「えーと、クサナギと言います。よろしくね?」


俺は、フレンドリーな感じで話を切り出したのだが3人ともとても厳しい視線を俺に向けてきていて挨拶を返してくれなかった。

俺はグランカスに視線を向けたがすぐに顔を逸らされた。

そうしてるとレオナが近づいてきて俺に一枚の銀色のプレートを差し出してきたので受け取り視線を銀色のプレートに向ける。


「クサナギ様、それば冒険者ギルドから王族用に発行しております冒険者ギルド証明書になります。くれぐれも紛失されませんように」


「分かりましたわ」


相槌を打ってプレートを見てると長身の女騎士、たしかパステルと言う名前だったはずがグランカスのほうへ視線を向けていたのに気がついた。


「グランカス殿、どうしてこんなたいした事も無い人間の護衛をしないと行けないんですか!私達は英雄カイジンクサナギに動向するのを楽しみにしていたのにこんな名前が似てるだけの者と同行するなど納得できません!」


あれ?俺のステータスがもしかして見れるのか?

もしかして……俺の魔力ってユウティーシアのステータスが先に来てて読まれてるのか?

そすると本来の200億の魔力はまた別にストックされてるのか?分からないが、でも鑑定魔法ってすごい魔力消費するよな?普通の人間には使えないはずなんだけど……。


女騎士パステルの納得できませんと発言は、魔法帝国ジールの妃候補となってる俺に対しての言葉としてはかなりまずいと思う。まあわざわざ注意しなくてもグランカスがきちんと説明するだろうしこれからしばらく一緒に旅をするのだからあまりゴタゴタは起こしたくない。


「パステル、悪いがお前よりクサナギの方が遥かに強い。見た目だけで相手の強さを見てると足元を救われるぞ?」


何故、そこで煽るような発言をするんだろうか?本当にねもう馬鹿なんじゃないんだろうか?

グランカスの言葉を聴いたパステルが俺を睨んできた。だから一人で行きたかったんだよ、人数集まれば絶対問題起きるんだからさ……。


「いいでしょう……そこまで言われるのでしたらこの場でそのクサナギモドキの実力を見せてもらいたいです」


とてもめんどくさいです。お断りしたい。というかもう騎士いらないから一人で行きたい。


「ああ、かまわん。クサナギもそれでいいよな?」


「え?え?」


まだ肯定もしてないのに、女騎士は俺に殴りかかってきた。おいおい、いくらなんでもこれはないんじゃないか?こっちはステータス最弱ですよ?仕方なく身体強化魔法を発動させる。

使用魔力は1万程度でいいか?

俺は女騎士の拳を右手で受け止めた。

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