第82話
「早く案内しな!」
エメラスは部下に案内させると目を見開いた。
中央甲板が綺麗に吹き飛んでおり貯蔵していた水、食料も綺麗さっぱり消えていた。
これを狙ってやったのなら相手は相当のやり手だとは思ったが目の前にいる裸の女を見てそれは無いなとエメラスは思った。
そんなエメラスの葛藤を余所に草薙と男達はずっと睨み合っていた。
男達は草薙の発育のいい女体をじっと見ていただけと言い換えてもいいかもしれない。
草薙は途中から現れた海賊服を身に纏った女を怪訝な目で見ながら考察していく。
そんな草薙に対して女は口を開いた。
「アンタ、何も……」
途中で言葉が止まった事から俺の裸を見て驚いたのだろう。
俺も驚いたさ、摩擦でワンピースが全部燃えたからな。
「私か?私は……」
なんと言えばいいのだろう……。
俺が彼女の立場ならいきなり現れた女が裸だったら固まるだろう。
「と………とりあえずその女を捕まえな!」
真っ当な判断だとは思った。
それに俺としてもその対応は大変助かる。
男が俺の腕を捕まえたのを確認する。
「痛いです。話してください!正当防衛で反撃しますね」
ニコリと俺は笑う。
そして体中を魔力で強化していく。
今度は、体中に巡らす魔力はかなり落としておくがどの程度がいいのだろう。
とりあえずは、1万が上級魔法師の力らしいのでその40%くらいでいいのか?
俺は腕を掴まれたまま腕を振るう。
男は後方に転がっていくが、この程度では弱いのか?
なら最初に魔力を測定した1000万、その1%でやってみるか?
「まずは1%で様子見だ」
体中がこれでもかと緑色に光り輝くと俺を取り囲んでいた男達の視線が俺と海賊ルックの女の間を行ったり来たりしてし始めた。
そんな中、女はゆっくりと倒れていった。
おかしら―と言う声も聞こえたが俺、まだ何もしてないんだけどな?
俺はその女に近づくとどうやら失神していたようだ。
男達は何故か俺に近づいてこようとしない。
俺は溜息をつく。
これでは、お話(物理)で相手の譲歩を引き出せないじゃないか。
なら話し合いでするしかないか……。
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