第39話

寝室のドアを開けて入ってきたユークリッドと目があった。

身悶える姿を見られてしまったユウティーシアは顔を真っ赤に染め上げていく。


「いきなり入ってくるなー!ノックぐらいしろー」


と気がつけばベットの枕をユークリッドに投げつけていた。


……数分後リビングに二人の姿はあった。

それぞれテーブルを挟んで椅子に座っている。


「で、俺の言いたい事は分かるな?」


「はい……市場と食堂ではご迷惑をかけてすいませんでした……」


今回は自分が悪いのだから素直に謝っておこう。

それにしてもステータスを数百万単位で振ってるはずなのにこの体どうなってんだ?とも

頭の片隅でユウティーシアは思ってしまっていた。


「とりあえずだ、明日に響いたらいけないからやるぞ?」


ユークリッドは立ち上がるとユウティーシアに近づき体を抱き上げ寝室まで運んだ。

そしてベットの上に下ろす。

突然のことにユウティーシアの頭の中はフリーズしてしまった。


「いやっ!痛い!ん……あんっ!ユークリッド、痛い痛い!もっとやさしくしてっ!」


寝室ではユウティーシアの艶めかしい声が響いていた。


「おい!足の筋肉を解すマッサージをしてるだけなのに艶めかしい声を出すな!」


ユークリッドの声に、ベットに寝ていたユウティーシアが後ろを振り返った。

その表情は、痛みと倦怠感と心地良さで頬を赤く染めて艶めかしい。


これが12歳の少女だと知ったらユークリッドは卒倒するかもしれない。

それを知らないのは幸せなのか不幸なのか……。


「(こいつ見た目だけはいいんだけどな、でも惚れたら絶対に尻に敷かれるかもしれない。)」


マッサージの手が止まったことに気がついたユウティーシアは怪訝そうな瞳でユークリッドを見る。ユークリッドが自分をどう思ってるかなど考えもせずに。、


「どうしたんですか?何か考え事でもあったんですか?」


「いや特にないが……他にいってみたいところはあるか?」


ユークリッドの言葉に、明日から行ってみたい所?と考えた。

まだまだ調べたい事は山ほどあってすぐには返答は出せないと思ったが……。


「そういえばまだ行ってないところがありました」


「ん?大抵の場所は案内したと思ったが。そうでもないか?」


「まだ全然です。でもどうしても行かないといけない所があるんです」


どうしても行きたいところか?とユークリッドはユウティーシアの言葉に興味を持った。

彼女がこれほど興味を示す場所、そこはどこなんだろうか?


「冒険者登録をしてみたいです」


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