ミルセフォルフィナ様と騎士レイデン

作者 永都佐和

泣いても憎んでも、愛が残った。歴史書は語れぬ物語。

  • ★★★ Excellent!!!

歴史で見れば「愚王」とされるのであろう聡明で美しい女王陛下と、彼女に愛も憎しみも捧げた美形臣下の、波乱万丈の生涯を綴った物語です。
春夏秋冬、明暗鮮やかな光景の描写が、登場人物たちの心理描写と合わせて際立ちます。気づけばキャラクターたちの背景や表情まで想像しながら読んでいました。

主従の想いが噛み合わず、周囲の思惑にも振り回されて、すれ違っていく……そのドキドキハラハラはもちろん、脇を固めるキャラたちもそれぞれ人間味にあふれていて作品の魅力を増しています。どんな人にも多面性があるのだと、改めて考えさせられる奥深さがたまりません。
個人的には、何かと不器用な陛下の兄君と、はちゃめちゃながらも本質を鋭く突く王太后さまがお気に入り♡読めばきっと「ああ、わかるわ~」と共感してしまうキャラが見つかると思います。

ラストはあまりに美しく、静かに林檎の花びらが舞うようで……胸が熱くなりました。この深い湖のような感動を、ぜひぜひ多くの方に味わっていただきたいです。
繊細な挿絵のついた本で読みたいなぁ……。

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その他のおすすめレビュー

★★★ Excellent!!!

天真爛漫な少年騎士・レイデンと、美しき聡明な女王・ミルセフォルフィナ。
二人は仲睦まじい少年と少女、のはずだった。
でも国が、それぞれの立場が、これ以上ないほどの過酷な運命を運び、幼かった二人を引き… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

美しく聡明な姫ミルセフォルフィナと彼女に仕える騎士レイデンの恋物語……というのはあくまでこの物語の一側面にすぎない。
作中で展開されるのは権謀術数うずまく政治劇であり、グラウデン王国の一時代をさまざ… 続きを読む

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