第0014話 敵は仮すべからず時は失うべからず
アマゾネス・オーク・クイーンに予約を入れておくか……。
獣人たちに
『もしもし』
『はい、もしもし! 上様!』
『あのさあクイーン悪ぃけどな、もうちょっとしたら、また1人クソ野郎をそっちへ送ることになると思うんだが、いつものように
『はい、もちろんでございます! いつもの広場に部下を
『ああ、それじゃぁよろしく頼む』
『はい!』
俺たちが
どうやら、
「おお、お前たち! ちゃんと
……ん? なんで娘がそこにいるんだ?」
神殿騎士隊長らしき男は、自分の "
「てめぇが、この家族を
魂の色は……赤黒い。
「誰だ
「ええぇいっ!
スケさんが騎士隊長を
男はハッとした表情を浮かべ、
「も、申し訳ありません……ですが、私には全く身に覚えのないことです。
「ほぉおう? この
神である俺に、ごまかしが通じるとでも思っているのか?
てめぇは、この人たちに
「し、信じて下さい! 私は
「てめぇと
「ど、どこにその奴隷商人がいるのですか? そいつの話を聞かせて下さい」
奴隷商人がこの場にいないから、
俺はマップ画面で奴隷商人をターゲット指定し、こちらへ転送する!
いきなり神殿前に転送された奴隷商人はひどく
騎士隊長も、目が飛び出んばかりに大きく見開き、びっくりしている。
「ほらよ。 コイツがすべて
「……は、はい! この男です! すべてこの神殿騎士隊長に指示されました!」
「ええーいっ! もはやこれまで! 死ねぇっ!」
ヤツは俺を、"
スケさんも、カクさんも、一瞬の出来事に反応が遅れる!
ヤツは一瞬『ニヤリ』とする。 勝利を確信したかのように……。
……だが次の瞬間! ヤツは
俺が、
「
ぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁあ!!
「修復!」
修復後、すぐに隊長を"見えざる神の手"で拘束して、ロープでグルグル巻きにしてから"ふんどし一丁"にする。
コイツが身につけていた武器も防具も下着さえも消し去ってやった!
俺たちの仲間には女性も多い。
だから、ふんどしだけは身につけてやることにした。
粗チンは目の毒なのだ!
ならば、
「てめぇはアマゾネス・オークへの
『もしも~し、クイーン、今から転送するな。 頼む』
『はい。
「ま、まま、待って下さい! 申し訳ありませんでした! 心からお
「転送!」
なんか面倒くさいので "ちゃっちゃ" と転送してやった。
「シンさん、すみません、油断しました」
「ああ、大丈夫だ。気にするなって」
奴隷商人が
「おう!
お前もアマゾネス・オークの
先ほどまで奴隷商人がいた場所へと転送してやった。
◇◇◇◇◇◇◇
神殿の方がなんかザワザワしている。
統括神官も俺たちの存在に気が付いているのかも知れない。
だが…統括神官一家と対決する前に、
「確か7家族だよな? ということは……まだ部屋数は足りているな。よし」
えーと、俺と西部に来た23人に、ここで仲間になったのが5人、計28人か?
まぁ、これだけの量があれば足りるだろう……。
料理、飲み物を、おそらくだが、
しかし、俺の仲間も入れると全部で何人になるんだっけな?
神子が7人に神殿騎士が2人、"
そして、キャルにシャル、俺にシオリで……計20人。
それに、
いつの
「開拓者のみんな、聞いてくれ!
俺たちはこれから統括神官一家を
食堂に料理をたっぷりと用意しておいたからな。 よければ食ってくれ。
バイキング形式だから、好きなものを好きなだけ食ってもいいぞ!」
開拓者、獣人のみんなは俺に
新しく仲間になった獣人族の家族なんだろう……驚きの声を上げている。
俺の前をリーダー格の男が通ったので……
「リーダー! 今日メンバーに加わった家族を部屋に案内してやってくれ。
できれば、
「分かりました。私の方から説明しておきます。ご安心下さい」
「おう! 頼むな。 よろしく!」
獣人のみんなが、テントの中に入ったのを確認してから、俺はシールド発生装置を生成してテント入り口付近に設置すると同時に起動した。
俺たちがこの場を離れている間、西部開拓者の獣人たちを守るためだ。
◇◇◇◇◇◇◆
さあ、いよいよ神殿に乗り込むぞ! と気合いを入れて神殿の
インガが俺の後ろにサッと
スケさんとカクさんは剣を
そして剣を
「いやぁ~インガ! お帰り! こんなに早く帰ってくるところを見るとやはり思った通り、神様のお
スケさんとカクさんから
「残念だったなぁ。 インガは俺の嫁になるぜ。 お
「誰です? あなたは? インガを嫁にする?」
「ほおぅ? お前さん俺の顔を見ても俺が誰だか分からねぇのか?」
「ん? ああっ……これはこれは、大変失礼しました。 まさか神様がこんなに若い方だとは思ってもみませんでしたので……」
統括神官はゆっくりと
しぶしぶ感が漂う。
「てめぇがインガをこき使ってきた統括神官か?」
「"こき使ってきた"っていうのは心外です。 私たちはインガをとても大切に育ててきたんですよ。 この町のみんなに聞いて下さい」
神殿の中で様子を
その様子を見て、スケさんとカクさんは
「
町の
インガが俺の後ろで
「てめぇは
「もちろんでございます!
「なら問題はねぇな! リブート!」
突然、統括神官が
「はっ! どうしたことだ?」
「教えて欲しいか?
てめぇを、これから
いや、
「……」
「じゃ、もう一度聞くぞ? インガをずっと
「
統括神官は地面を転げ回る! それは数秒間続いた!
「はぁはぁはぁ……インガは大切に……ぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
統括神官の妻と娘も何事が起こったのかと外へ出てきた。
神官のもとへと駆け寄る。
俺はこの妻と娘にも統括神官と同じようにしてやる……。
まずはナノプローブを注入!
そして、声を発するタイミングで起動されるイベントに、嘘をつくと体中のナノプローブが
「リブート!」
直後、統括神官の妻と娘は一瞬意識を失う。
さあそれじゃぁ、娘を念のために
「おい! 娘! おめぇ、インガの代わりに俺の嫁候補になろうとしただろう?」
「はい。インガがどうしても嫌だと……ぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
統括神官の娘も激痛に
「はぁはぁはぁはぁはぁ……ご、ごめんなさい……うう……」
娘の方はまだ
「娘の方は
インガを
「ミスをしたから
こんな事が何度か繰り返されると、さすがに神官も
「ああ、そうだとも!
特に俺の
ちょうどいい
痛いのを
ゾクゾクするんだよな。
だがな、俺たちは
ああ……クソだな! 確定だ!
「インガ、お前さんを
「「「ひぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」」」
統括神官親子は
コイツらの魂の色は
「私を思ってお怒り下さることはとても嬉しいです。
ですが、殺さないであげて下さい。 魂の色もオレンジですし……。
もういいんです……私は今とても幸せですから。
もう、そんな人たちのことなんかどうでもいいです」
「インガ、お前さんは優しいな。 それでこそ俺の嫁になる子だぜ。
よし! 分かった! おい! てめぇらには、神殿からの
当然だが、今後は神官を名乗ることも禁止する!
とっとと荷物をまとめて出ていけ!
ぶっ殺されなかったことをせいぜいインガに
元統括神官の親子はすごい勢いでこの場を立ち去った。
ヤツらが死ぬまでに…これからどう生きるかが見ものだ。
まぁ……
一応、"
その後、俺は "
今度はふたりとも "スカイブルー" に近い青色をした魂を持つ人間である。
悪いのはトップだけだったのか……。
ならば、これでこの神殿も、もっともっとよくなるであろう。
◇◇◇◇◇◆◇
俺たちは、今、獣人たちのテントにいる。
テント内の食堂に神殿関係者とインガの
料理は、いつものようにバイキング形式で、
飲み物もアルコール以外を各種用意した。
インガが俺の
インガの正面にはツェータが座っている。 会話が
ツェータから、そして、インガが
ズババババババババーーーン!
ズドーーーーーーーーン!ガラガラガラ……
テントの外が
俺はスケさんとカクさんを
他のみんなにはテントの中で
「うわっ! ひでぇ!」
テントの外に出て最初に目に入ったのは、
神殿関係者すべてがテントの中にいることが幸いである!
「ファイヤーボールを
ズババババババババーーーン!
ファイヤーボールが俺たち目がけて飛んでくる!
……だが、ファイヤーボールくらいでは
敵は、黒いローブを着た魔導士。 20人程いるようだ。
ん? 先頭で
"
地球、中国の歴史書『
やっぱり
ちゃんとやれる時に
スケさんとカクさんに、攻撃神術の練習をさせるにはいい機会であるのだが、現在シールドの中にいるため、スケさんとカクさんでは敵に対して攻撃神術が使えない。
彼女たちは現在、"
シールドでカプセル化ができないということは、展開中の防御シールドを越えて、つまり、シールドの向こう
(→第0013話参照。)
ならば俺がやるしかないな。
それで、
シュフィュン! シュフィュン! シュフィュン!
…… うがっ! ぐげっ! ぐふっ!
シュフィュン! シュフィュン! シュフィュン!
…… がはっ! ぐぐっ! どふぇっ!
こんな感じで、
なんとも
残るは元統括神官のみである。 が……
「ば、ばかな! シオン教の優秀な魔導士たちがこんなにあっさりと……ぐはっ!」
元統括神官が、驚きの言葉を
ん? シオン教が "どうのこうの" とか言ってたぞ?
確かにコイツらは、以前、タチアナを
元統括神官の "魂の履歴" を確認すると、インガが
ヤツの、元統括神官の
その計画が
そして、スケさんの心に大きな大きな
最後にプランDというか、ほとんど
ナルゲン・ニムラとは、タチアナを
(→第0005話参照。)
元統括神官から聞いた情報で、俺がこの地に来ていることを知ったのであろう。
『
とでも、きっと思ったに違いない。
今回、ヤツらシオン教徒どもが俺たちを襲撃した理由は多分そんなところだろう。
しかし、この町に20人ものシオン教魔導士が
ゴキブリじゃないけど、まだまだ他にも
シオン教の
元統括神官たちが、娘を俺の
やはり元を絶たないとダメだな。 シオン教を完全に
ひょっとすると、
そんなことを考えていると……。
俺は "見えざる神の手" で彼女たちをとっ
「おいおい!
「「お、お助け下さい!!」」
女性を殺すのは
「リブート!」
元統括神官の妻と娘はともに
「さあ、これでもしも今後、お前らが俺たちや神殿関係者に
くれぐれも忘れるな。二度と俺たちに
「「はい!!」」
元統括神官の妻と娘を
彼女たちは
もちろん、魔導士と元統括神官の魂は、"
クソ野郎どもめ!
しかし、ひでぇことをしやがる! 神殿がめちゃくちゃじゃねぇか!
外が静かになったためか、神殿関係者もテントの外へ出てきている。
まるで
「修復!」
「ああ、偉大なる神よ! ありがとうございます!」
みんなが手を合わせて俺を
なんか落ち着かないぜ。
◇◇◇◇◇◆◆
俺たちは食事をさっさと切り上げた。
シオリとは現在
気があせる!
俺たちは、この町、ガランの神殿関係者との
シオリが
それどころではなかったのだ!!
こちらも "シオン教徒の襲撃" を受けていたのだ!
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