第0008話 ぶよぶよオーク野郎を成敗!
目の前の光景……それは
白くぶよぶよに太ったオークが
女性は産婦人科の
目の前では女性がオークに
いや! 今まさに凌辱されようか! というところだったのだ!
「てめぇ! なにしてやがるっ! その女性から離れろ!」
グワシャ! ……ズルズルズル……
オークは壁の
そこからズルズルと壁に
ん? なんでオークがこんなところに? ……いや!? オークではない!?
オークだとばっかり思っていたが、よく見るとオークではない!?
オークそっくりではあるが人族の男だ!
一見しただけでは、"ぶよぶよに太ったオーク" にしか見えない!?
男は
おっと! オーク野郎のことよりも女性の
一瞬、
オーク野郎の
彼女の両手は、検診台に
目はうつろで、
その様子から、
タオルケットを生成してから少女のもとへ行き……
彼女の
ステータスを表示させて確認すると、やはり
俺は自分が神なのに、そうでないことを神に願うような気持ちで……
彼女が "最悪の性的暴行まで" 受けていないかを【魂の履歴】で確認する。
俺がこの部屋に飛び込んできた時には大丈夫だったように見えたのだが、心配になったのだ。
………… ふぅっ! 危なかった!
もう少し俺の到着が遅れたらと思うと……冷や汗が出てくる!
俺はふと、薬物による
結果に俺は
彼女は身体を
オーク野郎の履歴においても、最後までは
血液を含む身体内外すべてを浄化してから、彼女に修復神術を使うことにする。
修復神術で血液も浄化されるのだが、念には念を入れたのである。
「血液を含む、
別にコマンドを声に出す必要はないのだが……
念じるだけよりも、なんとなく "しっくり" するのでついつい声に出してしまう。
彼女は一瞬、
その光のベールが消えると
念のためにステータスで確認してみると……
なんと! 精神の異常状態までもが完全に回復している!
その後、下着と毎度お
彼女は現在、スヤスヤと
そこへ入り口のドアを
「シンさん! 大丈夫ですか!?」
「おお! スケさん、カクさん! なんとか間に合ったぜ。 お嬢ちゃんは無事だ。
あ……壁の方は絶対に見るなよ。 目が
見るなと言われると見てしまうのが人の "
スケさんもカクさんも入り口横の壁の方を見てしまう! ま、当然かぁ……。
「「きゃっ!」」
ふたりは騎士とは思えぬ、かわいらしい声を上げた!
ははは、
ふたりの様子に気を許した瞬間! 俺の身体が "ピリッ!" とした!?
冬、ドアノブを触ろうとしてピリッとくる、あの静電気のような感じだった。
「ん? なんだ?」
「ば、ばかな! 俺の……俺の最大威力のサンダーボールが利かないなんて……
あ、ありえねぇ!」
意識を失っているものだとばかり思っていたオーク野郎が驚いている?
どうやらヤツが攻撃魔法、サンダーボールを放ってきたらしい……。
サンダーボールというのはボール状になった
「
……サンダーボール!! 倍返しだ!!」
ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
俺は最弱のサンダーボールをお返しした……つもりだったのだが……
男は真っ黒になってしまい、ピクピクしている!?
いかん! 10倍返しくらいになってしまったのか!? マズいなぁ~。
「ん……んん……」
男の意識が回復したので "見えざる神の手" を使って生成したロープでグルグル巻きにしてやった!
もちろん
そう! ふんどし
「シンさん、あのあたりから何か嫌な
カクさんが、少女の寝ている検診台に向かって右方向の壁の方を指さす。
この部屋の入り口から見て右奥にある壁の方だ。
俺はマップ画面を表示させた。
すると壁の向こうには小部屋があり、中に複数の生命体反応が確認できた!
かなり弱っている生命体反応もあるな……。
「カクさん! お手柄だ!」
「カクさん! スケさん! あの壁を調べてみてくれ!
どうやら奥に小部屋があるようだ! そこに多数の生命体反応があるぞ!」
「「はい」」
ぶよぶよオーク野郎は『んぐんぐ』と言っている。
何か言いたそうだ……が
「シンさん、来て下さい。大変です」
壁の一部が
その扉の向こうに我々が見たものは……
犬のように
ん? 少年か!? どうやら少年もいるようだ!
鼻を
「完全浄化! そして……完全修復!」
この小部屋を含むすべてに完全浄化を
すかさず、女性たち、少年たち全員に完全修復を施す!
彼女たちも薬物を投与されていたようだが、完全浄化と完全修復により回復した!
先ほどまではうつろな目をしていた彼女等は……
みんな、スヤスヤと寝息を立てて眠りだす。
「
彼女たちを
女性には下着と毎度お
少年には下着とTシャツ、ズボンを! それぞれに装着させる。
次に "見えざる神の手" を使って、彼女等を小部屋から、俺が最初に飛び込んだ部屋へと移動させ……床に大型のマットレスを作成してそこへ寝かせてやった。
シオリに念話を送る……
『シオリちゃん、聞こえるか? そちらはどうだ? 異常はないか?』
『はい。何事も起きていません。 みんな無事です』
『そうか、よかった! あのさぁ……
これからそっちに女性数名と少年数名を転送するから、ベッドを生成して、そこに寝かせておいてくんねぇかな?』
『はい。承知しました。 ベッドは
『えーっと……そうだな10
『分かりました。 すぐに用意してお待ちしております』
『それじゃぁ、5分後にそちらへ転送するから、よろしくな』
『はい』
まぁ~シオリのことだから、ベッドの準備には5分もあれば
「スケさん、カクさん、5分後にこの娘さんたちを
お前さんたちは外にいる男女に事情を聞いて、もし、ここにいる娘さんの保護者だったら礼拝堂まで連れてってくんねぇかな」
「「
「俺は今からこのぶよぶよオーク野郎を
その後アマゾネス・オークにこいつを送りつけてから礼拝堂に戻るから、みんなにそう伝えておいてくれ!」
「「はい。 承知しました」」
その後、スケさんとカクさんと一緒に部屋の中を調べ、他には
『それじゃシオリちゃん、転送を開始する。ベッドは用意できているな?』
『はい。10床を礼拝堂の入り口付近と通路に配置しました』
『ありがとう……よし! マップで確認できた。
それじゃぁ、ベッドの上に、順にひとりずつ転送していくことにする』
念話を終え、ぶよぶよオーク野郎に監禁されていた女性たちを順に転送し始める。
ひとりずつ、シオリが用意してくれたベッドの上に横たえるように転送した。
『どうだ、シオリちゃん。うまくベッドに横たわるように転送できているか?』
『はい。バッチグーです!』
『し、シオリちゃん? お前さんも、もしかして……
ソリテアの件を……聞いちゃった?』
『はい! バッチグーです!』
『あちゃぁ~』
バッチグーが今年の神殿の流行語大賞に選ばれそうだなぁ……とほほ。
すべての被害者を転送し終え、スケさん、カクさん、それに外にいた男女ふたりを礼拝堂へと向かわせると、俺はぶよぶよオーク野郎の
「おい、てめぇは
てめぇはいったい誰だ?」
「俺はこの神殿の
「ほぉう?
男が "ギクッ!" とする。
わざわざ本人に聞かなくても、俺には誰だかはちゃんと分かるんだけどね……。
「な、ななな、なにを寝ぼけたことを言っているのだ!
そ、それよりも! お前のせいで
どうしてくれる!」
「なるほどなぁ……てめぇは盗賊の
しかも、ガランの町から
また男が "ギクッ!" とした。
「し、しらん、しらん! 何かの間違いだ! 俺を今すぐ解放しろ!
さもないと、神の
「はははっ! 笑っちゃうなぁ……おい! 神官なら知っているだろう!?
俺の
男は "きょとん?" としている。 ダメだこりゃ。
「これが分からねぇのかぁ? ははは。
この金色に光り輝く印が何か分からない時点で、でめぇはアウトだ!
神殿関係者じゃねぇことを
「そ、そそそ、そんなもんが何だって言うんだ!?」
「これかぁ? これはなぁ、神の "
つまりなぁ……この俺が "神" ってわけだ!
だ・か・らぁ~、
ぎゃあぁぁぁぁぁあ!!
俺は言い終えると同時に神術でケーニッヒの
男が
ごく軽く
「さぁ~ごまかしても無駄だ! 大人しく
盗賊の
といっても、途中で何度か
【魂の履歴】で確認済の俺はヤツが
手をじゃんけんの "ちょき" の形にしてヤツの両目を"かる~く"突っついたり……
耳を "ぎゅっ!" と "かる~く" 引っ張ったり……
鼻を "むぎゅっ!" と "かる~く"
う、
ヤツの心をへし
なんか色々顔のパーツが "取れちゃったり" したけどな……は・は・は…。
もちろん、"取れちゃっても" ちゃんと毎回修復を
でも、治療を施した本当の理由は……
アマゾネス・オークの
え? どこが人道的なんだ! だって? あ・は・は・は・は……。
えーと、その話は横に置いておいてぇ、ヤツが白状した内容をまとめると……。
盗賊
コイツは
彼によってコイツは命を救われたのだ。
だがヤツはその
しかも、あろう事か、彼とすり
本物の統括神官の遺体は、魔物が多く出現する森に
それは今からおよそ3ヶ月前のことである。
であるならば、もう
ケーニッヒは、
"統括神官"という身分に
コイツの
街を歩いていて、
次にコイツは、麻薬を飲まされて異常行動をとるようになった女性や、少年を心配した家族、
目をつけていた "獲物" が相談をしに神殿を
『統括神官の私は、
今回だけは "特別に!" 私
と、
そして『
最後は『
特にヤツが気に入った被害者は、手元に置いておくために更に麻薬を投与して、
『一度の治療では完治しないから、入院治療が必要だ』
と
とんでもないクソクズゲス野郎だ!
また、金貨25枚を
特にヤツが気に入った者には更に『検査は合格だから、
なお、今回俺たちが助け出した者たちが被害者のすべてであった。
死んだものがいなかったのが幸い……と言っていいのか……。
本当に
なにも考えずに全被害者に対して "完全修復" を
ひょっとすると
せめて、心のダメージが軽いといいのだが……俺は心底そう思った。
スケさんのケースを見ているから被害者たちのことがとても心配になる。
もしも彼女、彼らが
しかし……シェリーたちがこの話を聞いたら真っ青になるだろうな……。
コイツも本当に許せないクソ野郎だ!
この世界に来てからは、なんかクソ野郎ばかりに出会うな!
本当の統括神官 "カルメデオ・ストリドム" の遺体は、"今ある場所" が分からない上に、たとえ分かったとしても3ヶ月も前では、既に"
せめて良き転生ができるようにと、"輪廻転生システム"に対して"
シオリに協力してもらって調べると、彼、 "カルメデオ・ストリドム" の
彼女は中央神殿で神官見習いをしている。
シオリと相談して、"カルメデオ・ストリドム"の娘には、俺たちが神殿に到着してから彼の死を
また、"カルメデオ・ストリドム"を
彼の娘にも、【魂の色】を見た上でだが、
この世界でも "いい人" ってのは
しかも
◇◇◇◇◇◇◇
『もしもし、クイーン! 聞こえるか?』
『はい、もしもし! 上様!』
『おっ! いい感じで"もしもし"が使えてるじゃねぇか? いいねぇ~!』
『きょ、恐縮です』
『あ~それでな、今回もクソ野郎1名をそっちへ送りてぇんだが…いいかなぁ?』
『はい。ありがとうございます! みんなも喜びます!』
『もうちょっとしたら、例によって広場の方へ転送するから頼むな!』
『はい。お待ちしております』
「さて……ケーニッヒ! てめぇをアマゾネス・オークへの
生きたまま食われて死んでこい!! 以上だ!」
「ま、まま待ってくれ! 頼むよぉ。 お願いだ。
せ、せめて……せめて裁判を受けさせてもらえねぇか?」
「てめぇの
それに……てめぇは『殺さないでくれ』と
「そんなことはないぜ!
ぎゃあぁぁぁぁぁ!!!!」
魂の履歴を見て俺は知っている!
今ヤツが言ったことが
ケーニッヒの鼻を "かる~く"
"かる~く" だ! "かる~く"! あれ? なんか取れちゃったな……。
「まだ分からねぇのか? 俺は神だ! てめぇの
俺はヤツの鼻を修復してやる。
だってさぁ、アマゾネス・オークには、新鮮で "イキ" のいい "おもちゃ" を上げたいからなぁ!
「それじゃあなっ!
ばっははーい! ……転送!!」
ケーニッヒは泣きながら消えた。 が……
『あーもしもし! クイーン? どうした?』
『あ、もしもし上様! 大変申し訳ございません!』
『どうしたんだ?』
『はい……今転送されてきた男なんですがぁ……』
『どうしたぁ? 歯切れが悪いなぁ~。 怒らねぇから話してみろ』
『はい。転送されてきた男を"ぶよぶよの体をした気持ち悪いオーク"が襲ってきたと
『へ?……ああ、なるほどぉ、そうだよなぁ~、オークそっくりだったもんなぁ~。
そりゃぁ、しょうがないわなぁ。
じゃぁ、死体はアンデッドにならねぇようにそっちで処分してくれねぇか?』
『はい。承知しました。 本当に申し訳ありませんでした』
『いや、いいよ。 気にするな。 それに……
あれだけオークに似ていると気持ち悪くて、お前さんたちだって
『まあ……確かにそうですね。 でも本当にすみませんでした』
『いいって! いいって! 気にするなよ! 俺とお前さんの仲じゃねぇか!
これからも色々
『はい! 喜んで!』
『それじゃぁ! またな!』
『はい。 失礼します』
そうだよなぁ~、あそこまでオークに
しかも、白くてぶよぶよでキモいオークだから、
◇◇◇◇◇◇◆
やはり薬のせいなのか、だれも
それがせめてもの救いだ。
神殿騎士希望の女性の3名と今回最初に助け出した商家の娘さん親子以外、転移でそれぞれの家へと送り届けてきた。
今回の犯罪被害については、後で神殿の方から説明に行かせることにしてある。
神殿騎士希望の女性たちが望んだので、彼女たちを一緒に中央神殿まで連れて行くことにした。 彼女たちは神都で神殿騎士試験を受けるつもりらしい。
なお、彼女たちには、ケーニッヒがため込んでいた財宝からそれぞれ金貨30枚を与えることにした。 彼女たち自身が支払った25枚の金貨プラス、
彼女たちもすごい美人だ! この世界は美人とクソ野郎が多いような気がする。
魂の色はスカイブルーではないが、かなり
彼女たちが無事に試験を
スケさんは彼女たち神殿騎士希望者にとても優しく接している。
気にかけているようだ。
彼女のつらい体験が……同じような目に
危うく最悪の被害は
元は盗賊の頭だったこと等、事件のあらましを説明した。
危機一髪であったことを知って、一瞬、真っ青になったが、その後3人は涙を流しながら娘が無事であったことを喜び合ったのだった。
「神様……ありがとうございました!
娘をお救い下さり……なんとお礼を言ったら良いのか……。
ありがとうございます、ありがとうございます……」
父親が何度も何度も礼を言う。
「ああ、気にするな。 とにかく無事で良かったぜ。
娘さんはクソ野郎に "乱暴" はされていねぇから安心しな!
薬も完全に抜けたからな、もうおかしくなることもねぇぞ」
「「ありがとうございます……ううう」」
今度は母親と娘が礼を言う。
正確に言えば乱暴はされている。 最後までは
身体を
娘さんには記憶はないし、
「それじゃぁ、家まで送ってやろう。 場所を教えてくれ」
彼等の家の場所を確認してから、彼等を転送で送った。
彼等の家は結構な豪邸であった。
◇◇◇◇◇◆◇
神殿の礼拝堂に戻ると、そこには、シェリーたち冒険者がギルドへの報告を
「おう! お疲れ! それより統括神官のことは聞いたか?」
「「「「はい……」」」」
そう言うなり4人は真っ青になってガタガタ
「びっくりしただろう? お前さんたちもひょっとすると、あのオーク野郎の餌食になってたかも知れねぇんだぜ! みんなすげぇ美人なんだからな!」
「「「「すげぇ美人!?……」」」」
ん? 4人は
美人という言葉に反応しているのか?
「シンさん、聞いて下さいよぉ~。 ラヴちゃんたら……」
「だめぇ~! 言わないでぇ~! おねがーい!」
ミューイは、なにやらラヴの秘密を
それをラヴが必死で口止めしようとしているようだ。
「なんだぁ? なにがあったんだ? 誰かの首でも引きちぎっちまったか?」
「「「「……!」」」」
「えっ? もしかして本当に誰かを殺したのか?」
「いえ……実は……」
◇◇◇◇◇◆◆
彼女等の話によると……
ギルドへ魔物の森と魔物
すると、そのタイミングを
「あれぇ? おめぇらだけか? ダミアーノはどうした?
ん?
まさか! てめぇらダミアーノを殺したのか!?」
「ダミアーノって誰です? それにあなたのことも私たちは知りませんが?
あなたはいったい誰なんですか? 言いがかりをつけるのはよして下さい!!」
人族のラヴが言った。
「なんだとぉ! このアマぁ! ぶっ殺すぞ!
ダミアーノのヤツめ、
ゲヘヘ……ならばこの俺様がお前らをいただくことにするぜ!
ヤツの代わりに、おめぇらを俺の性奴隷にしてやる! ガハハハハッ!」
「あんた! ひょっとしてあたしたちを襲った男の仲間なのか?
だったら衛兵に突き出してやる!」
ドワーフのミューイが言う。
「やれるもんならやってみな!
女のおめぇらが俺様に勝てるとでも思っているのか?
こう見えて俺はランクBの冒険者だぜ!?」
男はアイテムボックスから
4人の中で一番弱そうに見える "ラヴ" の右腕を右手で
昨日、ダミアーノと呼ばれている男が彼女たちにしたように、ラヴを
『まったくどいつもこいつも……クソゲス野郎の考えることは同じなんだな!?』
だが! ラヴはびくともしない!
昨日のことが
………………ズガガガガガガガーーーン!!!
男は空中を吹っ飛んで行き、道の突き当たりにある民家の壁にぶち当たった!
だが! 勢いは
「「「「……」」」」
その光景を見て4人は固まってしまった。
すると彼女等の後ろから
「君たち、大丈夫か? 怪我はないか?」
「「「「は、はい! 大丈夫です!」」」」
「あー、私は衛兵だが、今のはちゃんと見ていたからな。君たちには
どうやら通りがかりの人が、女性が
衛兵が現場に
彼女たちは
幸いかどうかは分からないが、4人に
◇◇◇◇◆◇◇
「まぁ、しょうがないわな!
大事な大事なお前さんたちがみんな無事で良かったぜ! ラヴ! 良くやった!」
「は・は・は・は……」
「さてとケリムというヤツを
「「「「えっ!?」」」」
「そりゃぁそうだろう?
大切な大切なお前さんたちを性奴隷にしようとしたんだぜ?
それをこの俺が許せると思うか? 思えねぇだろう?」
「「「「……はぁ……」」」」
「そいつはどこにいる?」
「礼拝堂左奥にある扉の向こうが廊下になっているんですが……
その一番手前の診察室で、神官様の治療を受けているそうです」
「ん! 分かった! ちょっと行ってくるわ!」
診察室に入ると年配の女性神官がケリムの治療を行っているところであった。
やはり想像した通り、ケリムのカーソルの色はほとんど黒に近い赤色であった。
クソ野郎確定である!
「お嬢さん、ちょっと席を外してくんねぇかな?」
「は、はは、はい! 上様」
「悪ぃな!」
「おい! クソ野郎!
てめぇよくも俺の大事な女の子たちを
「なんだてめぇ! クソガキが偉そうに! 覚悟だとぉ? やれるもんなら……」
「
ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
「修復!」
「はぁはぁはぁ……な、な、ナニモンだてめぇは!? 目的はなんだ!?」
「俺か? 俺はな……この世界の神だ! てめぇを
「ふざけたことを……ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!!!」
俺は"見えざる神の手"を"ちょき"の形にして、男の両目を"かる~く"突っついてやった。 "かる~く" だ!
目からは血の涙を流している?
か、"かる~く" ちょんと突っついただけだ! う、
「お、おお、俺が悪かった。
おめぇの女たちだとは知らなかったんだ。 頼む! 許してくれよぉ」
「や~なこった! てめぇ、他にもいっぱい女性を犯して殺してるだろう?
そんなヤツを俺が許すとでも思うのか? バッカじゃねぇの?」
「た、頼む、心を入れ替えるからさぁ、見逃してくれよぉ~。 頼むよぉ~」
「てめぇ……3ヶ月程前にも、『助けてくれ』と
ケリムは "ギクッ!" とする。
「そんなクソ野郎のてめぇが、
「い、いや……あ、あのときは殺すつもりはなかったんだ! ちょいと首を絞めたらおっ
胸くそが悪くなってきたんで、耳を "かる~く"
鼻を "かる~く" 摘まんで引っ張ってやった!
なんか "ブチッ" という音がして血が吹き出てきたんだが……
"かる~く" 摘まんで動かしただけなのだ!
そして、また
「判決を言い渡す! てめぇをアマゾネス・オークへの
抵抗は無意味だ!
『もしもーし! クイーン! 今ちょっといいか?』
『はい、上様』
『新しいクズ野郎が手に入ったんで、今からそっちへ送ろうと思うが大丈夫か?』
『はい。ありがとうございます! 今度は誤って殺さないように気をつけます!』
『今度のヤツもな、
で、楽しんだ
そんでもってな、いつものようにな!
アンデッドだけにはならねぇように、後片付けだけは気ぃつけてくれよ?』
『はい。 承知しました!
それでは、送られてくるのをお待ちしておりますので、いつでもどうぞ!』
『おう! 今からすぐそっちへ転送する! ……じゃぁ頼んだよ』
『はい』
「じゃぁな、クソ野郎! ばっははーい! ……転送!」
クソ野郎、ケリムは真っ青な顔をしながら消えた。
◇◇◇◇◆◇◆
クソ野郎を始末した後、俺は礼拝堂へ戻ろうと診察室から廊下へ出た。
すると、そこにはどこかで見た
「お前さんは検問所で『伝染病の恐れがある子供は町には入れられない』と拒否していた
「はい。そうです」
「あっ、そうか、お前さんなのか? ウチの大事な女の子たちがクソ野郎に
「はい。そうです」
「ありがとうな!
お前さんの
「いえ、私は事実を言ったまでです」
「まぁ、たとえあの子たちが有罪だと言われても、俺は絶対にあの子たちを最後まで守り抜くけどな。 いちゃもんを付けてくるヤツらは
この国をこの惑星上から消し去ってでもあの子たちを守り抜くぜ! ははは」
衛兵の顔は真っ青になっている。
この星に帰ってきて?初めて、クソ野郎じゃないまともな男に出会った気がするなぁ……。 この男の魂の色は
「それで俺に何か用か?」
「はい。ケリムを
ヤツの
「悪ぃな。 ヤツは俺の判断でアマゾネス・オークの
凶悪犯罪を、し
「恐れながら…そんな人間でもここが
「まぁ、正論だな。で、ヤツは
「今回の件ですと……
「で、罰金とってヤツを解放しちまうのか?
じゃぁ、ヤツが今までさんざんヤリ
「証拠が集められませんので……
「
"
「……」
「俺は正直もんがバカを見るような世界にはしたくねぇ!
せめて、俺の目に入ったクソ野郎くらいは、キッチリと! 落とし前を付けてやらねぇとな! 俺には誰がどんな罪を犯してきたかが一目で分かる力があるからな」
「でも……」
「お前さんさぁ? 最愛の人が……そうだな、たとえばお前さんの恋人が、ケリムのような男に
「で、その恋人が、ボロボロになるまで
証拠が出ねぇように死体を魔物たちに喰わせられたら? どうする?」
「……」
「しかも、証拠不十分で、法律では
『はい。分かりました』と納得できるというのか?
……だとしたら、
「うっ……そ、それは……」
「あのな、俺はこの世界の神だぜ?
俺がルールだ! 俺は俺が正しいと思ったことをやる!
お前さんたち人間ごときには
お前さんたちの手に
文句は言わせねぇ! 分かるか?」
「そ、それは神のエゴイズムじゃないですか?」
「ほう? お前さんは勇気があるなぁ?
俺を前にして、この俺を
ふっ。だがなぁ……神なんてもんは、
そして、そうすることが許される存在だ!」
「あなたが
「その発想がすでにおかしい! 俺が "
たとえお前さんたちにとっては "
「……」
「ところで……お前さんが言う "
いや、説明じゃ足りん、明確に
「善とは
「じゃぁ道徳ってなんだ?」
「……みんなが
行為の規準じゃないでしょうか」
「ややこしいなぁ……
で、それは少なくともこの惑星内では
この惑星のすべてのヒューマノイド種族について
じゃねぇと、場所や種族によって"善"の意味が異なる可能性が出てくるからな?」
「
「ほほぅ? ヒューマノイド種族の国家でも……
奴隷制度のある国と、奴隷制度を認めねぇ国とがあるがそれはどうだ?
お前さんの言う道徳ってのが、どこの国にでも通用すると……
同じだと言い切れるのか?」
「それは……異なっていると思います。 国が違うんですから」
「じゃぁ、この惑星全体を管理している俺が、善悪の判断を誤ったかどうかを、どうやって見極めるんだ? 普遍的、絶対的基準も無しに誰がそれを判断できるんだ?」
「そ、それは……」
「
まぁ、じっくりと考えてみるこったなぁ……」
「……」
「だがな! 俺は誰がなんと言おうが、我が道を行くけどな!
抵抗は無意味だ!
まぁ、言いたいことは分からないでもないんだけどねぇ……
そもそも、神と人間を
男はまだ何か言いたそうだったが、俺は無視して礼拝堂にいる仲間たちのもとへと戻る。
◇◇◇◇◆◆◇
今回の事件があって、これで中央神殿へ一緒に向かうのは、計18名となった。
神子が7人に神殿騎士が2人……
魔物
「それにしてもにぎやかになったなぁ……」
「はい。 しかもシンさんを
ハーレムですわね? 男のロマンですわね? うふふ」
俺の
「は・は・は」
俺はなにも言い返せなくて力なく笑うしかなかった。
「さあ~、それでは中央神殿に転移することにするか?
みんなここを出て、神殿前の広場に集まってくれ!」
みんなと一緒に神殿入り口から表へ出た瞬間、俺に助けを求める声が……
"強い思い" が頭の中に流れ込んできた!
「神ちゃま、たすけて……
妹がころされちゃうの、ピンチなの…たすけてなの……お願いなの……」
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