淡々と流れる時間の中で、二人のJKは足を舐め、指を噛み、5000円を授受する。
偶然に気まぐれが乗っかって始まった彼女らの関係は思わず目を見張る。5000円で繋がる関係が何を意味し、どんな影響を持つのか。それはまだ、分からない。
しかし、分かることもある。大事なのは二人の関係やその変化で、5000円はただの紙切れだ。彼女達にとって5000円は命令を与えるチケットでしかなく、命令を受けるチケットでしかない。
だが、5000円とは現状彼女らを繋ぐ唯一の存在であり、チケットとはあっさり切られるものでもある。遊園地に入園する時のように、大学に入学する時にチケットは切られてしまうだろう。
それまでに後一年と少し。大事じゃない5000円に代わる大事な何かを見つけられるのか、見つけられないのか。今後の展開が非常に気になる傑作だ。
気まぐれから始まった奇妙な関係性が、少しずつ深みを増していく。
それは主従だとか、恋愛だとか、そういう一言で言い表すことは難しい。宮城志緒理と仙台葉月が互いに触れ合う物語、そうとしか言えない。
じれったいほどにほんの少しずつ距離が縮まっていく様子はまったく簡単ではなくて、でもきっとこれぐらい慎重に、こころの輪郭を確かめ合うようにそっと近づいていくのが、本来の人と人との関わり方なんじゃないか。そんなことを考えてしまう。
繊細なこころの動きを描く羽田宇佐氏の文章は、一度でも読めば魅了されること間違いなし。
今後も目が離せない作品。百合小説が好きなら絶対に読むべし。書籍化希望。
ほんとに大好きな作品で、出会ってからまだ一週間ですが何度も何度も読み返しています。
どこを読んでも新鮮な発見と喜びがあって、キュンキュンします。
仙台さんと宮城、どちらもキャラが立っていて、楽しいし面白いし、愛らしい。
作者様がキャラたちを自由に遊ばせてくれてる感じがして、読んでいて違和感を感じることがありません。本当にこんな二人が生きてるような感じがします。
文章がすっと入ってきてとても読みやすいです。じっくり丁寧に描かれていて、百合らしい繊細な表現もとても素晴らしいです。
お金を払って買ってもあんまりしっくりこない百合作品がたくさんある中で、この作品は本当にお金を払ってでも読みたいなと思います。とりあえず五千円払いたいと思います。
語彙力が無いので、この作品の素晴らしさを伝え切れず残念ですが、読めばきっと大好きになります。