第126話 一行怪談126

 墓場から無数の泣き声が聞こえる日は、どこかで赤ん坊が生まれる日。


 母直伝のレシピの中で、猫の胎児を材料に使う料理がある。


 ガイドの案内に沿って山道を進むと、なぜか実家の外観そっくりな家を見つけた。


 息子が誤って電池を飲み込んだので、仕方なく腹を割いただけなんです。


 子どもがいる家庭は、デゲジマさんには遭遇しないように気を付けてください。


 賞味期限切れのクッキーを食べた娘はそれ以来、卵を見ると怯えるようになった。


 曾祖父の遺影の目線を辿ると、必ず隠れているゴキブリを見つけることができる。


 父が口を酸っぱくして言うには、「夜中に口笛を数分間必ず鳴らすこと」。


 祖母お手製のそばを食べると、しばらくの間は他人の守護霊が見えてしまう。


 地震が起きた時に確認するのは、鏡に映る自分の動きがズレていないか。

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