第108話 一行怪談108
私の口紅を塗った姉が泡を吹いて倒れており、上手くいったとほくそえんでヒ素入りの口紅を唇に塗る。
コンビニのプリンターで印刷していると、印刷された紙の一枚にプリンターの前に佇む私の姿を描いたイラストがあった。
洗濯物を取り込むと必ず見覚えのないパンツが一枚紛れていて、お金が浮くと思いそのパンツを着ている。
エアコンのフィルターを掃除すると、緑や赤、青といった鮮やかな髪がごっそり詰まっていた。
妻が作る肉料理が格段に美味くなってから、近所の妊婦が失踪する事件が頻発している。
星がキラキラ輝いていると思っていたが、こちらを覗き込む巨大な目だと気づいてしまった。
この時間になるとカウントダウンをする死んだ伯父の声が聞こえるのだが、その声が聞こえるようになってから家がミシミシと軋む音が大きくなった。
いとこの葬式に行ってからというもの、私の耳元で「何で私なの?」と泣くいとこの声が響いて鬱陶しい。
夢の中で「家族になってもいい?」という見知らぬ少年に頷いてしまった翌日、兄の妊娠が判明した。
長袖の服を着た日はいつも、私の腕にいくつもの小さな手形が残される。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます