第78話 一行怪談78

 団子を一つ食べるたびに、脳内に響く断末魔。


 手作りのチョコレートに加えるのは、彼への愛と私の経血。


 チョコチップクッキーだと思っていたのだが、からからに干からびたダンゴムシがチョコの代わりに入れられていた。


 風船ガムを膨らませると際限なく膨らんでいき、今では私の背丈ほどに膨らんでしまった。


 苺のジャムを作りたいのだが、家で作った苺は全てしわがれた老人の顔のようになる。


 どら焼きの餡に成仏しそこなった人間の魂を入れるのが、家の隠し味です。


 近所のたい焼きはまるで生きた鯛のように動き回るので、しっかりと持っておくことが大切です。


 苺大福をどうしても作れなかったので、近くにいた小人の頭を切断して苺の代わりにしたことは内緒だ。


 最高のオレンジジュースを作るためには、まずオレンジに人間の悲鳴を聞かせることが必須だ。


 デコレーションケーキの仕上げを娘に任せると、なぜか背中に包丁を刺されて倒れている夫のマジパンが飾られていた。

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