第15話

「レオナルド様!

 夢を、夢を見ました!」


「どうしたんだい、ジェミー?

 なにを慌てているんだい?

 え?

 顔が治っているじゃないか!

 どういう事なんだ?!」


「神子を、神子を宿しました!

 レオナルド様と私の子は、生命神様に祝福され、三柱の神々のお力を得た、神子だと神々が夢でお知らせ下さしました!。

 その証拠として、私の顔の傷を治してくださいました!」


 私が神夢を見てからは、いえ、神子を宿してからは全てが急転直下となりました。

 私の話を聞いた生命神殿の神殿長が、全ての神殿に神子の受胎を伝えたのです。

 神子が胎内にいる状態でさえ治癒魔法を使えることも含めて伝えてしまいました。

 これが皇国に伝わったら、私達を恐れた皇国に処分されるかもしれません。

 私達は神官長に相談して素早く動きました。


「イザベラ!

 ドミニクと不義密通を重ね、ドミニクの子を王の子と偽った罪許し難し!

 死んで陛下に詫びよ!」


 神子に身体強化されたアーロンが、イザベラの顔面を粉砕します。

 次に生爪を剥がし、指を叩き潰し、自供させます。


「言う、正直に言う。

 だからもうやめて!

 ネイサンは陛下の子供じゃないわ。

 ドミニクの子よ。

 でも私じゃない。

 私じゃないの。

 ドミニクよ。

 ドミニクに無理矢理やらされたの。

 私が悪いんじゃないわ!」


「自分の子を王子と偽った極悪人ドミニク!

 天に成り代わって成敗する!」


 神子に身体強化されたジャスパーが、ドミニクを八つ裂きにします。

 鼻、耳、指、手足の順に斬り飛ばし、最後に眼を潰します。


「不義密通の子、ネイサン!

 王族を騙った極悪人ネイサン!

 レオナルド王太子殿下対する不忠は許さん。

 成敗!」


 神子に身体強化されたソニーも、ネイサン第二王子を粉砕します。

 直ぐに殺さず、手足を叩き潰し、地獄の苦痛を味合わせます。


「アイラ!

 フレイヤ!

 ジェミーお嬢様の恨み、思い知れ!」


 神子に身体強化されたイーライが、私の顔を酸で焼いたアイラと、王妃の座を狙って暗躍したアイラの娘フレイヤの顔を、酸で焼いてくれました。

 いえ、全身を酸で焼いて苦しめています。

 本当は私がこの手で恨みを晴らしたかったのですが、胎教に悪いので止めました。

 復讐よりも子供の方が大切です。


 私は生命神殿のの聖堂騎士と戦闘神官に護られ、マクリントッンナル王国に戻り、一気に王都、王城、王宮と入り込み、恨み骨髄の敵を叩きのめしました。

 全ては神子の助けがあっての事です。

 そして全ての事実を敵に証言させ、公式に処刑して晒し者にしました。

 そして愚かな国王を退位させて、レオナルド様に戴冠していただきました。

 顔の火傷が完治した私は、堂々と王妃の座につきました。

 とても幸せです。

 心配はソロモン皇国の動向ですが、まあ、何とかなるでしょう。

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