深夜の二時間作詩 5個パック


『ひとりぼっち』2020.9.5


ひとりぼっち が ひとつ

ひとりぼっち が ふたつ

ひとりぼっち が みっつ

ひとりぼっち が よっつ


……


ひとりぼっち なのに

ひとりぼっち じゃない

ひとりぼっち になれない

ひとりぼっち になりきれない


……


残念に感じる僕がいる

孤独であり孤高でありたいのかもしれない

そんな感情すら僕唯一のものではない

そんな感情をもつ「僕」はごまんといる


……


シリウスでも目指そうかな


◇ ◇ ◇

シリウスを目指そうとする「僕」もおそらくひとりではないのでしょう。ほんとのほんとにひとり、になるのは難しい。ひとりじゃないよ、と伝えたかったのかというと、恐らくそんなことはなかったです。たまにはそうあれよ、と今ここを書きながら思いました。

シリウスって言葉の響きが良いですよね。ベテルギウスも良い。星やら宇宙やらに興味を持ったのは小学生の頃だったかな。星座にまつわるお話も好きです。そっちが出発点だったかも。最近は出してないんですけど、家庭用プラネタリウムを持っています。確かタイマー機能がついていて、寝る前にセットしてぼんやり眺めながら眠ることもありました。寝る=眼鏡をはずすわけですが、結構な近眼なのでほんっとにぼんやりでした。

◇ ◇ ◇


『都会』2020.9.12


人 人 人 !

人 人 人 !

ビル ビル 駅 ビル 駅ビル ビル !

あ~~ お空はあっちのほう !


人 人 人 !

人 人 人 !

電車 地下鉄 バス 車 !

あ~~ 地面はそっちのほう !


人 人 人 !

人 人 人 !

人 人 人 人 人 人 人 !

あ~~ 私もみんなの一部 !


おしまい


◇ ◇ ◇

私の都会のイメージです。もうとにかく人。とりあえず人。あとは高いビルのせいで狭くなった空とコンクリに隠された地面。

人酔いしちゃうので人が多い場所は苦手です。なんでも酔いやすいんですよね。乗り物もアルコールも。幼少期よりは落ち着いていますが、乗り物酔いは本当に困る……。アルコールの方はそんなに困ってないです。そもそもジュースを好んで飲む方じゃなかったので、アルコール入りジュースが飲める年齢になったとして飲むかっていうと飲まないんですよね。家族も飲まないし。外では間違えないように気を付けないといけないってのはあります。

珍しく声に出して読みたいタイプの詩が書けたなと思います。ひとひとひと!

◇ ◇ ◇


『約束』2020.9.19


誰のために守ってるの?


◇ ◇ ◇

誰のための約束で、誰のために守るべき約束なのか。哲学。ぼくにはむずかしいことはよくわからないよ。

私が書くものたちの中でそこそこよく出てくる、ひとことタイプの詩です。Twitterでは「#一行だっていいんだ詩」というタグをお見かけします。そちらにも参加したいと思ってはいるんですがなかなか手が回らない。早くても卒論関係が全て片付いてからでしょうか。早く終わらせてくださいよ、私。少なくとも自分には刺さるものにしたいので、ひとこと・一行だったとしてもポイポイ産出できないのですねぇ……。ぼくにはむずかしいよ。

◇ ◇ ◇


『小さな幸せ』2020.11.14


・朝起きれた

・火曜日半休になった

・坂道で息切れしなかった

・タピオカ美味しかった

・茄子が安かった

・(花火見たかった)

・マニキュアを綺麗に塗れた

・(優しくしてほしかった)

・LINE来た

・忘れ物しなかった


小さな幸せつんでゆくから悲しい出来事こえさせて。


◇ ◇ ◇

頭文字が「あかさたなはまやらわ」です。五十音全部はさすがに諦めました。

執筆時、ささやかながら()かっこを使うブームにありました。あと箇条書きもブームでしたね。詩コンの『恋』と同じ頃に書いたんです。雰囲気は微妙に違うんですけど、ハッピーハッピー全力ハッピーじゃないところは一緒ですね。

何と言いますか、こう、あまり良い表現ではないかもしれないんですが、普通な感じ……。もっと切れ味鋭い、スパッザパッグサッとしている方が好みです。

◇ ◇ ◇


『プレゼント』2020.12.19


マグカップ見つけた

気に入ってたマグカップ見つけた

昨日割ったのと同じマグカップ見つけた


「ご自宅用ですか、それとも」


箱に入れられたマグカップ

ラッピングされたマグカップ

僕用じゃないマグカップ


帰ったら珈琲淹れて

これに注いで

仏壇に


冷える手


できないこと

うちじゃないから

仏壇があるのは


寒いよ


◇ ◇ ◇

短編小説『残滓』(https://kakuyomu.jp/works/1177354054896742473)のもしかしたらあるかもしれないワンシーン詩です。悲しいなぁ。切ないなぁ。

あるワンシーンと断言せず、あるかもしれないと濁したのは、「僕」はマグカップを見つけても買わない気がするからです。買わない方が普通で、買う方が気の迷いです。「僕」にはそういうところがあります。立場が逆で、■■だったら即買ってます。そもそも割らないです。

◇ ◇ ◇


漢字一字以外のお題でも書いてみたいと思い、参加させていただきました。今後もぼちぼち参加しようと考えております。



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