登場人物紹介
・クズの少女。
・身長151センチ。痩せぎすの体と、背中までかかるほどの長さの黒髪。
・超人的な記憶力、推理力、演算能力を持つが、それを他者を貶め、陥れるために用いることを好む。
・半面、体力には乏しく、反射神経も鈍いため、極度の運動音痴。
・好きなものは糖質と脂質。柔らかい寝床。おいしい紅茶。
・嫌いなものは虫と生魚。言葉の通じない人間。
・彼女は生まれて間もなく父親を交通事故で亡くしている。それをきっかけに母親は
小学校入学のタイミングで児童相談所からの介入を受け、父方の叔父の家庭に引き取られる。初めは家庭に馴染む努力をしていたものの、彼女の持つ異常な知性と、それに伴う悪徳を好む性向は次第に家族との間に溝を深め、ついには家庭内暴力に発展してしまう。
しかし、それを逆手にとって叔父一家を脅迫した彼女は、自分が独り立ちするまでの進学費用を毟り取り、中学卒業後は一人暮らしを始め、高校に進学した。
・彼女は他人と協調することを諦めている。
中学時代に同級生から受けた大小様々なイジメも、彼女自身の性格と言動の故だと理解しているが、それを矯正しようとは考えなかった。
彼女にとって重要なのは自分が自分のままで生きることで、そこに他者からの評価は必要なかった。彼女の生きる目標は誰にも侵されない静かな暮らしを得ることで、学生時代はそのための下積みの時代だと理解していた。
・イメージソングは、黒木渚で、『骨』
「それはまるで骨のように
私を燃やして、残るもの」
――――――――――
・脳筋の男。
・身長190センチ。大小無数の傷が刻まれた筋骨隆々の体。髪は常に短く切りそろえている。
・見た目に違わぬ筋力と、それを自在に操る身体技法を併せ持つ。格闘技、武器術、走法、泳法、馬術など、体を使って出来ることなら大概のことは人並み以上にこなすことができる。
・好きなものは動物性蛋白質と、強い敵。
・嫌いなものは、皿の面積より遥かに小さな食材が中央にちょこんと乗っているだけの料理と、闘う前の口上が長い敵。
・彼は、いわゆる
彼の父親はまったく無名の格闘技者であった。一方で、日本でも有数の財閥の跡取りでもあった彼の父親は、自分の才能に見切りをつけ、自分の望む最強の人間を造ろうと目論んだ。
カネとヒトとモノの力を集めて作られた彼は、幼少時より過酷な身体トレーニングと戦闘訓練を課せられ、世界中を旅した。
・結果、彼の精神と肉体は父親の期待を遥かに上回る水準で歪な成長を遂げ、ついには紛争中の途上国にて人間を撲殺してしまう。
一切の呵責なくそれをなした彼を見て、父親は自分の所業に俄に恐怖を覚えた。彼に人並みの精神性を身に着けさせるため、父親は日本の高校へ進学させることを決めた。
・彼は父親の夢に付き合うのも悪くないと考えていた。
体を鍛えることは嫌いじゃなかったし、身体的苦痛にはとっくに耐性ができていた。そして何より、自分より大きく強い相手を倒した瞬間の快楽に、何物にも代えられない愉悦を見出していた。
だからこそ、急に態度を変えだした父親に、少なからぬ失望を覚えた。
彼は自分の人生が、決して他人から見て常識的でないことを理解している。ただ、自分の生き方を変えられない以上、他者から奇異の目で見られることも仕方のないことだと考えているし、それを不満に思うこともない。
一見大らかで寛容な彼の性情は、その実、他者への無関心と諦観に満ちている。
・イメージソングは、Rie fuで、『Life is Like a Boat』
「who’s gonna comfort me, and keep me strong.」
(一体誰が私の退屈を慰め、私を強くいさせてくれるというのだろう)
――――――――――
・詐欺師の少年。
・身長165センチ。平凡な顔つき。髪の長さは耳にかかるほど。
・老若男女問わずあらゆる人間になりきる演技力を有する。声帯模写も可能。化粧と変装を用いれば、親しい間柄の人間でも見破ることは難しい。
・好きなもの、なし。
・嫌いなもの、なし。
・彼の両親は舞台俳優である。
彼に対する演技の指導は、物心つく前からすでに始められていた。常に他人の動きを模倣し、他人の表情を読み、他人から見える自分をコントロールする技術は、それを身に着けていくにつれ、徐々に彼から個性を奪っていった。
・父親は限りなく純粋な芸術としてそれを追求し、母親はそれを金策に用いた。
人格、感情、嗜好、癖、言語。その全てを他人から模写し、自在に入れ替えることができるようになった時、彼は母親から密命を受けた。それは、父親の浮気相手の懐に潜り込み、実の父親を破滅させる手伝いをさせることだった。彼はなんの疑問も葛藤も持たずにそれを受け入れ、そして、成功した。
・母親は彼を誉めた。そして、彼は最後の課題として、高校三年間を通じ、誰からも顔を覚えられないまま卒業するよう指示を出された。そうすれば、あとの人生は彼の好きに生きていいと言われたのだ。
・彼は早くから自身のアイデンティティについて省察していた。
呼吸をするように他人の仕草や言動を模倣する中で、では他人が自分を真似るときにはどうなるのだろう、と考えを巡らすことは至極当然であった。
答えはすぐに出た。自分の真似をしようとするなら、常に他者の真似をし続けるより他に方法はない。つまり、他人の人生を借りもののように身に纏う行為自体が、レンタロウという人間のアイデンティティに他ならないのだ。
・彼の心は常に凪いでいる。
たとえ実の父親を陥れようと。母親が、自由になったところで自分に行き場所などなく、結局は母親の元で生きていくしかないと分かった上で課題を出したのだと知っていても。
・イメージソングは、宇多田ヒカルで、『忘却』
「全部忘れたらいい
過去にすがるなんてダサい
もう、いらない」
――――――――――
・語り部たる《私》。
・身長168センチ。背中までの長さの黒髪を、常にきっちりと結い上げている。
・実務能力に長けた有能な官僚であり、帝都の王宮の切り盛りをするメイド長であり、国王陛下に意見することのできる唯一の女性である。
・好きなものは肉料理と白パン。
・嫌いなものはスリザール帝国。
・異世界転移者たる日本人の祖父を持つクォーター。
・幼少時親に捨てられて以来、帝都の路上で浮浪児として生きる。
12歳のとき、彼女の容姿に目をつけた貴族の男に拾われ、王宮に召し抱えられる。彼は借金のかたに娘を王宮のメイドへ(つまりは国王の使い捨ての愛妾として)連れられそうになっており、彼の娘の代わりに国王へと献上された形である。
数度夜伽を務めたところで放り出されそうになった彼女を、そのとき既に片鱗を見せつつあった聡明さから当時のメイド長に引き留められ、王宮の裏方で働かされる。
生きるために必死であった彼女は、読み書きや算術、礼儀作法などを積極的に学び、自らの居場所を確保した。
物語開始時の数年前、現国王の立位の際に起こった政争の過程で、彼女を引き立ててくれたメイド長が亡くなり、彼女はその後を引き継ぐ形で今の役職に就いた。
そして、三人の悪党と出会った。
・イメージソングは、松任谷由実で、『春よ、来い』
「春よ。遠い春よ。
まぶた閉じれば、そこに――――」
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