第40話 リサイクル
「生まれ変わって出直してこい!」
ダークマター、リサイクルお願い!
「んん!? んんん~……」
……。
終わった……かな?
これでゴミクズのリサイクル完了のはずだけど。
失敗してたらどうしよう、ちょっとドキドキしてきた……。
「お……おぉ……っ」
おぉ?
「おおぉっ、特異点様!」
とととっ、特異点様? 急に様づけ!?
「特異点様、この度は真にありがとうございます!」
「いや、えっと……?」
「特異点様のおかげで生まれ変わった気分でございます!!」
「あぁ、うん……」
「文字通り私は生まれ変わったのでしょう。いえ、生まれ変わらせていただいた、が正しいですね」
「そ、そうなんだ……」
「まったく、今までの自分の行いが信じられませんよ。特異点様にゴミクズと呼ばれていたのも当然でございます。しかしながら、特異点様はこんなゴミクズを生かしてくださいました、慈悲深き聖女様のようでございます!! 救っていただいたこの命、特異点様のために全力で──」
「ちょっ、ちょっと待って」
うわぁ……めちゃくちゃ感謝されてる。
リサイクルは成功してるっぽいけど、ちょっと人格矯正しすぎちゃったかも。
正直言って気持ち悪い、気色悪い、気味悪い。
「そうですよね! まずはラハルの住民の皆様とチコタン様にお詫びをしなければなりませんよね! そしてこれまでの罪を償うため、全身全霊で人々に貢献せねば!!」
もはやゴミクズの原型が全く残ってない。
前向き爽やか宇宙人に変貌しちゃってるよ。
確かゲスーチっていう名前だったよね、ゲス要素が皆無だ。
「いっそマジ―メにでも改名したらいいんじゃないかな……」
「なるほど、それは素晴らしい考えでございます! 名前を新たにすることで、今までの自分から脱却するということでございますね。そのお名前、喜んでいただきます。本日より私はマジーメ! マジーメでございます!!」
嘘でしょ!? 思いつきをポロッと言っただけなのに、ホントに改名されちゃったよ。
いやまあ、本人がいいなら別に構わないんだけどさ……。
うーん、流石にちょっと調子が狂うな。
「ソーラ、作戦は成功したのですね」
チコタン!
動けるようになったんだね、よかった。
「うん、作戦は成功したんだけどね。ゴミクズ……じゃなくてマジ―メがちょっと……」
「はい、話は聞こえていました。ですがその前に子供達の救助を!」
「あぁっ、子供達!」
そうだった、子供達の救助が最優先だった!
マジ―メのインパクトが強すぎて、すっかり頭から抜け落ちてたよ。
「ミィシャン、体の調子はどう?」
「ボクも大丈夫、ソーラのおかげですっかり動けるニャ!」
チコタンもミィシャンも大丈夫そうだね。
よし、マジーメのことは一旦放置! それより先に子供達だ!
「マジ―メ、子供達のところまで案内して!」
「承知でございます、特異点様!」
待っててね子供達、今助けに行くから!
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