第11話 モフモフな宇宙人

「あぁ~、いいお湯~」


 晴れ渡る空の下、ポカポカの露天風呂!

 心が落ち着く……さっきまで大気圏に突入してたとは思えない平穏さだね。

 宇宙のお風呂ってどんなものなのか不安だったけど、地球のお風呂より心地いいよ。


「チコタン、気持ちいいね!」


「ぐっす……ぐっす……」


 チコタン、そんな端っこで丸くなってないでこっちにきたらいいのに。

 まあ確かに、女の子的には立ち直れない事件ではあったよ。結構ぐっしょりいっちゃってたよ。

 でもここはお風呂、裸のお付き合いってことで気にせずいこうよ。


 せかっくのチコタンのヌードもよく見えないしさ……。

 おっとうっかり本心が。


「元気だしなよ、私しか見てなかったんだし」


「ぐっす……あの女の子にも見られました……」


 そうだったね。

 偶然通りかかった女の子にも見られちゃったね。

 でもあの子がいてくれて助かったでしょ?

 お風呂も貸してくれて、服も洗ってくれてるんだよ?

 きっと優しい宇宙人ちゃんだよ。


「お待たせナ~。服は今乾かしてるから、その間ボクも一緒に入るヨ!」


「ありがとう! お風呂すっごく気持ちいいよ!!」


 優しい宇宙人ちゃん登場、っとっとおぉ!?

 その立派なお胸はマジですか!?

 地球人だった頃の私よりも大きいんじゃない?


「どうしたニャ? ボクの体に何かついてル?」


 ついてます、大きな果実が二つ……。

 おっといけないっ、ついガン見しちゃってた。

 おっぱいの魅力に宇宙人も地球人も違いはないのね。


 それにしてもこの子、カワイイ!

 身長は一五〇センチくらいかな?

 オレンジ色の髪の毛がすっごくキュート。

 薄ピンクの肌もキレイだな。

 そして! 猫耳としっぽが生えてるの!

 モフモフ感が尋常じゃないよ、ホントもう小動物みたい!!


 しかもおっぱいは大きいって、シンプルにエロカワイイよ。

 エロうちゅカワイイ!


「ねエ? ボクの体に何かついてるノ?」


「うん、沢山ついてる……」


 ボクっ娘か、最高過ぎる。


「エッ、ついてるニャ? どこどコ? 何がついてル?」


「カワイイものが、体中に沢山ついてるよ……」


「体中に沢山ン!?」


 キョロキョロしてる姿もカワイイね。

 語尾が少し訛るのもカワイイよ。

 たまに「ニャ」って言うのがたまらくカワイイ……。


 はぁ……好きだ……。

 っと危ない、あまりのカワイさに我を忘れてた。


「ゴメン、なんでもなかった! 気のせいだったよ」


「よかった、ビックリしたヨ。えっト……」


 ん?

 そっか、自己紹介してなかったよね。


「私は明峰空あけみね そら、あっちで泣いてる子がチコタンだよ」


「ボクはミィシャン、よろしくニャ」


 ミィシャン、名前までカワイイんだね。

 カワイイの総合力が凄すぎるんじゃないかな。


「変わった名前だナ、ソーラって呼んだらいいかナ?」


「うん、ホントは空だけど、まあソーラでいいよ」


 やっぱり宇宙的には空って発音しにくいのかな? 

 チコタンも私のことをソーラって呼ぶよね、もう慣れてきちゃってるけど。


「服が乾くまで少し時間がかかるから、その間ソーラ達のことを聞かせてヨ」


 うわぉっ! ミイシャン!!

 しっぽがチロチロ動いてるよ、その動きは反則でしょ!


「ソーラ達は宇宙からきたんだよネ?」


 あのしっぽ触りたい! モフモフしたい!


「宇宙船も無しにどうやって降りてきたニャ?」


 右に……あっ、今度は左に! ダメだ、目が離せない。


「ソーラ! 聞いてるノ?」


「うん、聞いてる……しっぽがカワイイっていう話だよね……」


「しっポ? 何を言って……ソーラ、目が怖いヨ?」


「大丈夫、怖くないから……ちょっとだけだから……」


「ソーラ怖イ! こっちに来るニャッ」


 あぁっ、待って! 

 私のカワイイしっぽちゃん、逃げないでー!!

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