第四四七回 七日後、再びのサタデーナイト。
――繋ぎとめる糸。それは過去と未来。この章で伝えたかったことだったの。
今宵はしっとりと、優しい夜を招くの。
そのイメージはモノクロ。少しばかり六十年代に浸る……とはいっても、お母さんは七十年代の生まれ。僕はまだ影も形もない。それでもユーチューブは懐メロを奏でている。
いつかは
この一時を過ごしたい。……いつかとはいわず、恋に年齢は関係ないのだから、今この時でも、僕的にはOKだと思うの。でも結婚は十六歳から……それは女の子。男の子は十八歳からで、でも、太郎君と僕は同級生だから、どちらにしても十八歳から。
……でも、まだ先だね。
生まれてくる、未来の子供のことを考えたら。
だからこれから、
太郎君と二人で、未来予想図を築き上げようと思う。そうしたらこれから先は、負けない人生となりうる。未来の子供には、僕や太郎君と同じ思いをさせたくないから。
パパとママ……
あなたが生まれた時には、両方いるから。そして、たとえ貧困になったとしても、あなたのことは守るから。絶対に……『いじめになんか遭わせたりしない』
あなたを守ることのできるママになってみせるから。
そしてあなたのパパと一緒に、人生の讃歌を大空に奏でるような、そんな家族になる。
――すると、
広がる『カントリーロード』のメロディーラインが。スマホから。黄色の僕のスマホから……ストップ・ザ・ミュージックと共に電話に出る。応答したのだ。
「太郎君……」
聞きたかった彼の声。明朝のモノクロの時間までは間があるけれど、心温まる。
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