第六十三章 ――立夏からの構想。

第四三八回 それはもう、昨日から始まった。


 ――昨日は端午の節句。それはそれは忘れられない出来事で、その余韻も深々と。



 未来予想図は、まず僕は結婚して仲の良い夫婦を目指す……ううん、きっとなる。そして嫁と姑の関係はというとね、実の母娘のように和楽。二つの家庭も仲睦まじくで。


 生まれてくる子はね、

 ……そう。貴方に似た男の子。僕に似た女の子。少しでも少子化対策に貢献する。



 それは、ふと過るイメージ。


 今日はもう学園に通っていて、すでに学園内。


 実は中学生になってから初めての、ゴールデンウイーク明けの登校日となったの、僕にとっては。一年生の時は不登校となり二年生の時は、新型ウイルスのために休校で、三度目の正直というわけではないけれど、今日この日に実現したの。


 あとは修学旅行……


 小学校の時も行けずと行かずのミックス。貧困といじめ……だから、特に興味も持っていなかったけれど……けれども、梨花りかが熱く語るの。もったいない――とまで言われた。


 でも去年も今年も新型ウイルスの猛威で……


 ゴールデンウイークでさえ、厳しめの緊急事態宣言が発令される程なのに、……まだある見込みも、その様なお話も先生方からは語ることもなく聞かない。



 でも、そんな中でも、梨花だから語ってくれるのかな? 僕が、興味を抱くまで。

 転校を繰り返してきた梨花だから、摂と一緒に行けた修学旅行が宝と語る。僅かな時間だけれど、それを何倍と何十倍と大切にする。今の僕なら……できそうな気がする。


 きっと、大人になるには通過する道なのだと思えた。だから沸々と、行きたい気持ちが湧き上がってくる。その思いをも込めて、今宵もまたエッセイを執筆しようと決心。


 ――未来予想図に心ときめかしながら、今この時を懸命に生きる。



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