第三七八回 三月三日のゾロ目企画。


 ――やっぱり開催されるようなの。令和三年なだけに三月三日。しかも三時三十三分。



 去年は令和二年だったから、二月二十二日の二十二時二十二分に一斉公開した。今は少しばかり変わったけれど、その頃は一章の括りが、エピソード五回分としていた。


 二のゾロ目だけに第二章に設置。(とはいっても、本当のところは普通に偶然)


 梨花りかと僕の、それこそ思いがけない出生の秘密が明かされることとなった。僕も梨花も初めて知ったことだから。……ただ、お母さんのお腹の中にいた頃を思い出すのは極めて至難の……不可能に近い記憶。だけれど、引力的なもの。神秘的なものとなるの。



 ――まあ、難しいお話になりそうだから、


 一旦はこれにて。……ところでこの度は、令和三年なだけに三のゾロ目。しかも……しかも一万文字以内の短編だそうだ。思いとしては挑戦したいと……いや挑戦する。


 だから昼間、学園内で、

 オンライン生徒会の……(まだ予行演習だけれど。つまりは候補生ならぬ見習いだけれど)会議に参加させて頂いた。テーマは自由だけれど『無事故の運営。そのための生徒の安全を確保』という趣旨に因むことが必須。――なら、ある意味これも立派に理に適う。


 執筆は現在も、睡魔と覚醒の繰り返しだけれど、

 成し遂げる意思は固まってゆく。それは葉月はづきちゃんが教えてくれた。


 ――ブレないこと。


 決心したことを成し遂げるためには必要不可欠。初めは……確かに自分のためだった。

 それで始めたエッセイ。梨花のようになりたかったから。いつもそばで可奈かなと梨花を見ていて、とても羨ましくて……でも、梨花は言うの。『僕には千佳ちかが羨ましい』と。僕は僕のエッセイを。僕らしいエッセイを書いたらいいと……そう言うの。


 ……そうだね。三月三日は『ひなまつり』で、まだ企画も予定の範囲内だけれど、まずはそこに挑もう。いずれにしても僕は、そのお話に触れたいと、そう思うから。



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