第三三二回 いしょう!
――それは、ステージの衣装でもなければ、ダンスの衣装でもない。
僕がアイドルなら……
紅白のステージで、『
学園の授業であったから……
クラスの皆が見ている前で、中でも梨花が見ている前で、褒められちゃったの。
「今度、俺と踊ってみるかい?」
「
「フォークダンス」
――あっ、そのジャンルは無理。でも、「
……赤と、桃で彩られている。
髪には櫛、簪が飾られている。そしてお祖母ちゃんが、暫しの散歩に「行っといで」と送り出してくれた。僕と太郎君、二人きりで……。なら、今ごろ梨花は、お祖母ちゃんと一緒に蜜柑を食し、猫のようにお炬燵で丸くなっていることだろう、心身ともに。
でも、僕らは歩く。――
歩くペースは、太郎君の方が少し早いかな?
僕の方は少し早歩き……でも、「大丈夫か? 少しペース落とそうか?」と、太郎君は言ってくれたの。晴れ着は初めて。初めての履物……「うん、ありがと。来年は太郎君も一緒に着物。晴れ着なだけに、晴れ舞台を一緒に歩こうね」と、締め括る。
……あっ、
僕は今日、十四年分の晴れ舞台を、君と一緒に歩いたことになるのかな?
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