第二七六回 君の笑顔は僕の笑顔。……そして皆の笑顔。
――例えば、あの伝説の大樹の傍で咲き誇る向日葵のように。色は元気な黄色なの。
僕は押すの。
……あっ、でも日焼けかな? ほんのりと赤みが……白いハットから覗く、葉月ちゃんの顔。頬っぺたも。ふっくらと、柔らかそうで、
「
「じゃあ、今日も宜しくね。葉月お嬢様」
「うんうん、宜しい。今日はご機嫌だね、
「ちょ、ちょっと」と、ネット上で炎上することはないけれど、お顔は炎上。
「おっ、鋭いね、葉月ちゃん」
と、太郎君。……あの火曜日以来、僕の傍にいるの。そして、……そして少し距離を置いて、
「ここで、告白するとね、その二人は永遠に結ばれるんだって。
……と、
少し俯き加減の上目遣いで、葉月ちゃんが、……ま、まさか……
「太郎さんも一緒にね……」
ええっ! それは、ちょ、ちょっと、……いくら葉月ちゃんのお願いでも。
「もちろんね、千佳先輩も。僕は告白したいの、皆に。
そしたら、そしたらね、皆と永遠に結ばれるでしょ。きっと、そうだと思うの」
と、葉月ちゃんは言うの。乙女チックに。
――可愛い!
その発想はなかった。
そして、少し瞳を潤ませながらも……照れている様子がまた良い。
ビックリと驚き。似た
可愛く……
でも、それは、この先にある翳りを……
薄々ながらも……ううん、打ち消しながらも……知る由もなく。
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