第二四〇回 マクド……ということは。


 ――そして太郎たろう君が、お母さんのことを『おかん』と呼ぶのも併せて、やはりこの地は『関西』だということが判明して……いやいや、それ以前にもう『ウメチカ』という場所が登場した時点で、もはやこの地が『関西』ということは、すでに証明済みなのだ。



 マクド……で購入した。


 太郎君のお母さんがマクドで購入したチーズバーガーセットを三人分。テーブル囲んで食する。それがお昼なのか、おやつなのか区別はつかないけれど美味美味。デートとは一味違った醍醐味があるの。……想像すると、もっと先。このような光景が。


 ――このような光景があったらいいね。


 と、心に刻むほど、心の中で呟ける時、太郎君のお母さんが、


「千佳ちゃん、私も一緒にゲームしていいかな?」

 と言うものだから、ドキッとしちゃったけれど、そして太郎君の顔もチラッと見つつ、


「いいですよ、大歓迎です」

 と、最高の笑顔をもって、迎え入れた。


 レッツプレイ! コーラーの味、口の中で弾けながら皆同じ。サイコロではなくルーレットをもってゲームは進展する。思えば『すごろく』の応用版。……で合っているのかな? そう思っている間も進展し、また進展とゲームは進む一方。このゲームが『人生ゲーム』なだけに、後ろは振り向かずに前だけ向くの。だから前向きなの。



 この調子なら、このエッセイで謳っているキャッチコピーの『ほのぼの路線』も、もうすぐで、達成も夢ではないの。……ついに、ついに現実のものとなるのだ。


 それはね、ちょっぴりだと良いのだけど、

 怖いような、そんな感じもするの。するとね、髪をクシャッ……と、太郎君の手が、


「これまでのことを思うとな、

 当然の権利だぞ、千佳ちか……」と、そっと一言を添えながら。



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