第二三四回 収まらないお話は、今宵のエッセイで綴るの。


 ――それは、可奈かなについてだ。


 いつの間に、オンライン仕込んだの? まるで秒殺……いやいや必殺のように。それはもうPCを設置した時、遠隔操作も同時進行。それならきっと、偽りのサポートセンターの方と渡り合える程の技術力だ。……で、やっぱりなのだ。すでに動きはあった。



 相手は僕に通話を切るよう促した。相手から僕のスマホに通話するようにしたのだ。番号は非通知。相手は僕のPCを遠隔操作した。実は……可奈も、その相手と同じことができるというのだ。その相手の居場所を突き止めることに、密かに成功しており、極秘裏に密告、警察へと。しかしながら警察よりも、もっと身近な存在。善一ぜんいちさんの力を借りていた。――その相手が逃げる前に、事情徴収へと事を運べたのだ。



 相手は、やはり海外の人。


 そして、星野ほしの善一さんは、刑事で僕らの遠い親戚。年齢は瑞希みずき先生と同級生。やんちゃしていた経歴もある、瑞希先生と同じなの。今では頼れる兄貴的存在……


 オンラインについては、お祖母ちゃんのPCを遠隔操作して、設定したそうなのだ。そのレシピ……というのか、手順は秘密ということで、もし知られたのなら大変ことだ。


「すごいことになる」と、可奈は言っていた。


 十四歳のハッカーここにあり? ということになりかねない。

 やはり天体観測の、お星さま大好き少女が可奈のイメージだ。


 そして梨花が大好きなことも。

 百合ということも。そのまま続けてほしい。可奈は梨花が好きであり続けてほしい。


 僕は、いつも応援するよ。これからも。


 お母さんは心行くまで、お祖母ちゃんとお話をした。また会う約束も絡ませながら。それからはずっと……共に暮らすのだから。だから、もう仲直りだね。オンラインの中だけれども、お母さんはお祖母ちゃんと仲直り……とはいっても、もうとっくに……かな。



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