第百九十八回 ねえ、どうなの。


 ――きっと、バレているの。


 ?(クエッションマーク)は付かずに、

 でも梨花りかは、そう訊くの。訊いてくる。



 怒った顔ではなくて、ニッコリとしながら……とっても怖い。それも、わざわざ僕のお家にステイして、きっとお泊りするつもりで……荷物もリュック持参で。


 何よりも、僕を待っていたのが見え見えで……



 コクリ、


 ――と、僕は頷いた。


 顔も、真っ赤。梨花の反応が怖いのもあったけれど、それ以上に、さっきまでの余韻が残っていて、とっても恥ずかしかったから。それでも、嘘や誤魔化しは……したくなかったの。僕は、素直な妹で、梨花に対しては、素直な妹でいたいの。


 すると、


 グッと手を引っ張る梨花。


 引っ張られ、そして浴室へと。その付近にある洗濯機に入れるものは……「ち、ちょっと、梨花?」との言葉も届かず、あれよあれよと脱がされるの梨花に。学校の制服であるブラウスやスカート、それに下着までも……露わになるの、僕の汗の匂いなども。


「……ねえ千佳ちか

 女の子にはね、女の子にしかわからないデリケートな部分があるから、お姉ちゃんが優しく洗ってあげるからね、一緒にお風呂入ろっ」と、梨花も準備万端だ。


 ……匂いも、全部わかっちゃうの。


 恥ずかしい。とっても恥ずかしい。女の子同士なのに? 女の子同士だから?

 梨花は怒ってないの? 梨花はね、……何だか喜んでいるみたいなの。


 だって今回のことはね、梨花が太郎たろう君にお願いしたこと……らしいの。



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