第百五十一回 それは、凛と咲く朝顔のように。


 ――もう一人のボクッ娘、梨花りかが背中を押してくれたから、僕は前向きになれた。



 後ろ向きな癖のある僕を、


 ……思えばいつも、いつだって、梨花の日差しのようなスマイルが、ソフトでありながらも力強く、背中を押してくれた。梨花の妹であることに感謝の思い。


 そのことを是非、お母さんのお母さんに僕は伝えたい。


 だからこそウメチカ戦で勝ち抜いて、最高の笑顔をもって、その日を迎えたいの。太郎たろう君とは勝ちたい思いは一緒。……呼吸はピッタリだから。



 今度は僕が、梨花に何かしたい。


 そして、お母さんが心から、お祖母ちゃんと昔みたいに仲良くなれたら……だって、僕らの十四という年齢よりも前、もう十五年以上も会ってないんだよ。まるで駆け落ちみたいで……喧嘩別れしたままで、そんなの悲しすぎるから。


 お母さんが、そして新一しんいちパパが、お祖母ちゃんと仲直りしてくれたら、梨花は僕と同じで喜んでくれたと思う。それを夢見てあの日……令子れいこ先生が描いてくれた、その象徴ともいえる『天使のうたたね』と同じスマイルで、是非とも堪能したくて、してほしい。


 そこからは、


 そこからは僕らも、まだ知らない『葉月の訪問者』が現れそうな……



 本日がもう二十日を迎えたならば、


 もう四連休は近し、開始するウメチカ戦は二十三日、午前十時からのスタート……だけれど、十四時頃には閉店というのか、閉会してしまう。それが一日の流れで、当初は三日の予定だったのだけれど、新型ウイルス騒動の影響により時短を余儀なくされたのだ。


 僕ではなく場所の『ウメチカ』も、もう十七時には、殆どのお店が閉まってしまう。


 ――だから四連休はフルに、四日間フルという運びになったのだ。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る