第二十四章 ……そして、六月二十日の向こうには。
第百二十五回 まずは、その日を迎えるところから。
それは、思いのほか静かだった。
静かに、ひっそりと……その幕を閉じたのだ。
二〇一三年二月の設立から七年もの間、ここを訪れる学生さんたちを見守り続けて、語り継がれてゆく思い出をも、そっと心の片隅に残すようにと……令和二年六月二十日の今日をもって、喫茶店『
昨日十九日は、本年の三月三日までアルバイトとして勤めてきた
その次の日だからこそ、僕は、僕らは、
現場には出向かわずに、ここにステイ……各々の自宅待機となり、時が過ぎるのを感じながら、そっと心の中で「ありがとう」と感謝の思いと――
「お休みなさい」……と安らぎの言葉を、その様を見ずとも風に載せて贈ってあげた。
そんな思いたちを、
そんな僕らの思いたちを、一身で引き受ける
……でも、
「さようなら」は言わない。その魂は永遠だから……
やがて君は姿を変え、その役割をも『新章たる』には相応しくて、君は、僕たちとともに新たな出発を迎える。ビフォーとアフターをも喜々とし、その行く末を画面いっぱいにと全国ネットで描かれてゆく。――つまり喫茶・海里は生まれ変わる。
僕と
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