第七十二回 やっぱりデートは、
――少しでも長く一緒にいられること。
実はね……
そこでもう一つ、実はだけど、
昨日は現地集合って、太郎君からメールで……
僕――女の子だよ。
場所は知っているけれど、そんなの冷たすぎる。
……グスッ。
『やだやだ! 僕一人じゃいけないもん。せめてバス停! 僕と一緒にバスに乗ってくれなきゃ、シクシク……泣いちゃうからね。それからパパ特製の苺パフェ、食べようね』
と、そんな具合で甘えてみた。あくまでメールでだけど……
すると、するとね、――返事、来た!
OK! 可愛いね、
えへへ……というような、笑い込みの心境。
そして今! 僕と太郎君は、この場にいる。
そして、目の当たりには……苺パフェ。向かい合わせの間の透明感あるテーブル、その上に。……食す食す、お喋りよりも食べるのに夢中、二人とも。どことなく食べ方まで似ていて……ご想像にお任せしますが、ムシャムシャよりもガツガツ行く方なので、
「おい千佳、もっと味わえよ。せっかく御父様が作ってくれたんだろ?」
「太郎君もでしょ? パパ特製の苺パフェの後にはね、バナナパフェもあるんだから」
「……って、おいおいまだ食べるのか?」と、
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