第42話 就寝そして起床

 女子会が散々盛り上がった為、残り一時間の勉強に気が乗らない3人は、連休前に出された宿題をすることにした。

 しかし、やはりいまいち集中できない。

 気付けばもう就寝時間だ。メイドさん達が3組の布団をミカの部屋に敷いてくれた。

「じゃあそろそろ寝ますか。」

 マユリの一言にドキッとするミカ。そしてそわそわし始めた。


 我慢・・・できるかな・・・


 もしかすると、辛抱たまらなくなり襲ってしまうかもしれない。もちろん返り討ちに合うだろう。でも・・・

「ミカちゃんもこっちでいいの?あっちに大きいベッドあるのに。」

 ミカがいつも使っているベットを指差し言うハルカ。

「いいんですいいんです。あたしは先輩達と一緒に夜を明かしたいんです。」

 それを聞いたマユリは胸を隠す。

「エッチなことしない?」

 ジト目でミカを見る。

「しません!」

 ・・・たぶん・・・

 キッパリ言ったものの、自信がない。

「ならいいか。じゃあミカちゃん真ん中ね。」

 !!?

 端で寝る予定だったミカ。いざとなれば部屋を抜け出し、素振りでもして性欲を自分で処理するつもりだったからだ。

 挟まれたら・・・抜け出せない!

 と言いつつも早速布団に入り、川の字になる3人。


 これは現実?それとも夢?


 混乱するミカ。左を見ればハルカが仰向けで天井を見ている。自慢の(?)バストは、重力に従い左右に垂れていた。下着を着けていればこうはならないはずだが・・・


 ん?もしかして、ハルカ先輩ブラしてないの?


 その通りだった。ハルカは就寝前、ブラを着けないタイプの女子だったのだ。もちろん下は着ている。

 そ~っとハルカの胸に手を伸ばすミカ。

「・・・ミカちゃん。揉むつもり?」

 冷たい目でミカを見つめるハルカ。


 バレたか・・・


 ミカは諦め、伸ばしかけた手を戻す。

 ドキドキして中々見れないが、思いきって今度は右を見てみた。


 !!!!!


 ミカはヨダレを垂らした。何故ならそこには、ミカの方へ身体を向け、眠そうにうとうとしているマユリの顔が、目の前にあったからだ。


 かわいい・・・かわいすぎる!


 ミカはもうマユリから目が離せない。ハルカの胸も気になるが、もうそれどころではなかった。

 ミカの視線に気づいたマユリ。

「ミカちゃん、おやすみなしゃい・・・」

 ずっと我慢して起きていたのだろう。そう言いながらマユリは眠りに落ちていった。


 おやすみなだって・・・


 きゃ~かわいい~~🖤


 ミカは心の中で悶絶した。

 しかし、このマユリの寝顔を見てミカは、改めて気を引き締めるのだった。余程信用してくれているのだ。ならばそれに答えなければいけない。こんな安心して眠っているマユリを起こしたくない。

「ハルカ先輩、あたし達も寝ましょう。うちらが起きてるとマユリ先輩起こしちゃうかもしれないので。」

「そうだね。じゃあミカちゃんおやすみ~。」

 ハルカは目を閉じ、数秒後には寝息をたてていた。二人とも寝た為、静けさが部屋の中に漂う。すると次第にミカもまぶたが重くなってきた。ずっと一晩中マユリの寝顔を見ていたかったのだが、どうしても睡魔に抗うことができず、ミカも夢の中へと落ちていってしまう。


 ・・・・・・


 ・・・・・・


 ん?柔らかい・・・


 両腕とも気持ちいい・・・


 明け方の薄暗い部屋の中。ミカはゆっくりと目を開く。


 あれ?あたし床で寝てる・・・あっ!


 それと同時に思い出した。そうだ。隣には愛しい人が寝てるんだった。

 そっと右を見てみる。マユリが幸せそうな顔で寝ていた。


 よかった。夢じゃない・・・ん?


 んんん???


 マユリはミカの右腕を抱き締めながら寝ていた。そしてそればかりか、右手はマユリの太ももに挟まれている。付け根に近い場所なだけに、ちょっとでも動かすと反応して起こしてしまうかもしれない。


 あああああ・・・マユリ先輩のいけないところのすぐ近くにあたしの手がぁぁぁぁ

 

 右手の幸せな感触。しかし、何故か左腕からも幸せな感触が伝わってくる。

 左を見るミカ。


 !!!


 ハルカもまたミカの左腕を抱きしめ、あろうことかその腕を胸の谷間に挟んでいた。


 うひゃ~柔らかい柔らかい!


 これでも我慢しろと言うのか。もうミカはぐるぐると目を回すしかなかった。思考が追い付かないのだ。

 しかし、その時だった・・・


 ブルルッ


 トッ、トイレ行きたい・・・


 突然の尿意。別の意味で我慢することが増えてしまったミカ。


 あっ、後一時間もすれば起きるよね。だ、大丈夫大丈夫・・・


 確かに、もう一時間もしないうちに起床の時間が来る。


 でも、でも・・・この幸せな時間が終わっちゃうの嫌だな・・・

 ううっ・・・それよりも漏れちゃいそうだよぉ・・・


 ミカは葛藤していた。最悪尿瓶を用意すればと思ったのだが、大声を出して人を呼ぶ訳にはいかない。それでは結局二人を起こしてしまうからだ。


 ハルカ先輩は起こしちゃおうかな。で、尿瓶持ってきてもらって受けてもらえば・・・


 いやいや、この子は何を考えているのだろう。混乱しているせいで、羞恥心が欠如してしまっているのかな?


 しかしそうこうしているうちに、マユリのまぶたがゆっくりと開いていく。

「んん・・・あっ・・・おはよう。ミカちゃん・・・」

 寝起きだと言うのに、柔らかな微笑みをミカに向けるマユリ。その美しさたるや・・・

 ミカは思わず手を動かしてしまう。

「ああ🖤」

「んんっ🖤」

 両隣から甘美な声が聞こえてきた。ハルカも起きたようだ。

『もう、ミカちゃんのエッチ。』

 声を揃えていうマユリとハルカ。


 ひゃぁぁぁ🖤あたし、二人を感じさせちゃったぁぁぁぁ🖤


 いよいよまずいミカ。このままでは心臓がもたない。

 しかし、ここで大事なことを思い出した。

「ごめんなさい先輩方!もうあたし限界ですぅ!」

 カバッと起き上がり、部屋を出ていくミカ。もう膀胱が破裂寸前だったのだ。


 10分後


 いろんな意味で、スッキリツヤツヤした顔のミカが戻ってきた。

「さあお二方、朝風呂に参りましょう。」

 余裕の笑みで二人を促す。

 ・・・一体何をしてきたのだろう。


 3人はお風呂に入った後、朝食をとり、広大なミカの家の敷地内をお散歩した。

 当然マユリとハルカが、様々な設備や建物に驚きと刺激を受けたのは言うまでもない。

 

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