41話 神は覚醒するたび、遥かにパワーが増す。その覚醒を、神は、あと――


 41話 神は覚醒するたび、遥かにパワーが増す。その覚醒を、神は、あと――



「ああ、勝てる。俺は、おそろしく強くなった。――つぅか、お前、ほんとはビビってんだろ? 分かるぜ。今の俺は、お前の半分くらいまでは届いた。圧倒的戦闘力を持つ俺に、ここまで差を詰められたお前に待っている未来は死あるのみ」



 『カイケル装備&GOOのパッシブスキル』のおかげで、

 最終的な存在値を1000億以上にまで引き上げることができたセン。

 

 えげつないパワーアップを果たしたことで、

 心に余裕ができたセンは、


「泣いて命乞いするなら、眷属にするだけで許してやるが、どうする? 逆らえば、もちろん、ボコボコにした上で眷属にさせてもらう。どっちにしろ、結果は変わらないんだから、楽な道を選べばいいと、俺なんかは思うわけだが、いかがか?」


 と、だいぶイキったことを口にする。


 そんなセンに、

 マイノグーラは、


「ふふ……」


 と、笑ってから、




「――虹気――」




 そうつぶやくと、

 マイノグーラの全身を、

 虹色のオーラが纏い始めた。


 それだけでも、

 センは、


「ぺっ?」


 自分の愚かさを嘆くに十分だったのだが、

 しかし、マイノグーラは、


「この程度では、まだ、『勝てるかもしれない』という愚かな夢を抱かせてしまうかな」


 ニヤニヤしたまま、そう言いながら、

 さらに、全身に力を込めて、


「――虹神気――」


 もっと神々しい光に包まれる。

 際限なく膨れ上がる外なる神。


 それを見て、センは、


「……ぃ、ぃや、あの……」


 アホウのように鼻水を垂れ流して茫然とするばかり。


 そんなセンに対し、

 マイノグーラは、とどまることを知らず、



「さらに、もう一段階、いってみようか?」



 ニィと、嗜虐心でいっぱいの顔をして、




「――超虹神気――」




 さらなる果てへと突き進む。


 『基本状態』のころと比べて、エグいほどに数値を増した神。

 初期状態だと、センの倍程度だったが、しかし、

 超虹神気を積んだ今のマイノグーラは、

 軽く、センの10倍以上の力を持つ。


 ただ数値が膨らんだだけではなく、

 『虹気』の持つ固有強化によって、

 オーラがキレッキレになっている。


 反応速度と攻撃性能の大幅なパワーアップ。

 すなわち、戦闘力の底上げ。


 無数の覚醒技を乱舞させることで、

 センを置き去りにしていくマイノグーラ。


 凶悪な輝きの中にいるマイノグーラは、

 はるかなる高みから、




「あらためて、もう一度聞こう。愚かな者よ。貴様は、この私に勝てると思うか?」



 その問いかけに対し、

 センは、数秒ほど呆けていたものの、

 しかし、歯をむき出しにして、

 必要以上に大きい声で、


「ああ! 思ってるよ! 思ってるに決まってんだろ! 悪いかぁ!」


 と、なかば、ヤケクソに叫ぶものの、

 しかし、


「……本当に?」


 マイノグーラに、

 もう一度尋ねられたことで、

 ギチリと奥歯をかみしめ、


「うそじゃ、ぼけぇ! いけるわけねぇだろ! ふざけんな、カスが! 何度も、何度も、覚醒しやがって! 卑怯だぞ! お前は、アレだ! ダメだ! 何がどうとは言えんけど、とにかくダメだ! 反省しろ!」


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