47話 豪華なパーティ。

 47話 豪華なパーティ。


(未発見の遺跡を探し出すのにも、時間は当然かかるけれど、単純に、ダンジョンを攻略するだけでも、時間がかかるものが、結構あるらしいわ。難易度の問題というより、単純に『大量の時間を必要とするダンジョン』も少なくないみたい。簡単に攻略できるダンジョンも、それなりにはあったみたいだけれど)


 『人類では踏破不可能』、

 『神様の悪ふざけ』、

 などと言われている遺跡ダンジョンだが、

 ゼノリカの天上の手にかかれば、

 ちょっと面倒なダンジョンでしかない。


 その証拠に、すでに、いくつかの遺跡は攻略されている。

 まだ攻略出来ていないダンジョンも、

 難易度の問題ではなく、時間の問題でしかない。


 言うまでもないが、当然、死者はゼロ。

 多少の負傷者は何人か出ているが、

 重傷を負ったものは一人もいない。


 ちなみに、最初に遺跡ダンジョンに挑戦した際は、

 極めて慎重に、徹底的に大事をとって、

 センが総指揮、

 アダムを現場リーダー、

 平熱マンとミシャを副官、

 五聖から異守と銃崎、

 九華ほぼ全員、

 十席から支援タイプ数名という、

 ド派手な『15人パーティ』を組んで挑んだのだが、

 センを出すまでもなく、

 死ぬほど楽勝だったため、

 以降は、九華主体の3人パーティで挑むのが基本となった。


 ※ ちなみに、ゾメガは『各地に散らばっている天下の総指揮官』、

   という立ち位置のため、ダンジョンには出撃しなかった。


 現状、とりあえず、バランスのいい三人パーティで挑み、

 三人では厳しいようなら、

 逐次、戦力を投入していくというスタイルが主流。


(たしか、遺跡ダンジョンの最奥には、コスモゾーン・レリックがあるんだっけ?)


 さすがに、天下レベルだと、

 『コスモゾーン・レリックの完璧な詳細』は知らされていないが、

 しかし、

 『シアエガというコスモゾーン・レリックに、バロールが、若干てこずった』

 という情報は聞かされている。


 天下の視点で言えば『神のごとく強大』なバロールが、

 『多少』とはいえ『てこずったアイテム』ということで、

 コスモゾーン・レリックは、

 『相当ヤバい代物』として、認識されている。


(らしいわね。詳しいことは伏せられていたけれど、シアエガと同等クラスのコスモゾーン・レリックって話らしいわ。この前、報告を受けた段階で、すでに、7個は回収したって話だったから、今はもっと増えているかもね)


 現在、回収されているコスモゾーン・レリックは『9』個。


 回収したコスモゾーン・レリックの一覧がこちら。


 ・ギズグズ

 ・ゴルス

 ・ハン

 ・ウイチロソプドール

 ・イズタシャ

 ・コス

 ・リサノア

 ・ムナガラー

 ・モルティギアン



 ちなみに、ちょうど、

 『アモンとIR3が、この会話をしている間』に、

 『サトロワス』『ジャクリナ(十席)』『アクバート(十席)』のパーティが、

 エリアEの旧市街地にある遺跡ダンジョンから、

 9個目の『モルティギアン』を回収した。


 8個目のムナガラーを回収したのは昨日の試験前。

 『テリーヌ』『カティ』『ヒッキ(十席)』のパーティが、

 エリアAの郊外にある遺跡ダンジョンで発見した。









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 十席(ジャクリナ・アクバート・ヒッキ)の詳細。

 他の十席のメンバーの詳細に関しては『センエースwiki』参照。



 ・『ジャクリナ・ジストメナ』


 九華十傑の第十席序列4位。

 メイン職業「監督」


 20~50人程度の規模をまとめるのが非常に得意な女性。

 実質的な十席のまとめ役。

 仮に、十席が全員で一つのミッションに挑むことになった場合、

 全体に指示を出すのは彼女になる。


 十席における命令系統の一番上は、

 もちろん、序列一位のアクバートだが、

 ジャクリナは、「まとめ役」としての資質が非常に高いため、

 アクバートの命令を軸として、

 ジャクリナが指示を出していく感じになる。


 いわばアクバートがオーナーで、

 ジャクリナが現場監督といった感じ。


 非常に芯が強い女性だが、

 頑固という感じではなく、

 むしろ、サバサバしており、

 快活でまっすぐな体育会系女子と言った感じで、

 他のメンバーからの信頼は厚い。


 ゴリゴリのパワータイプアタッカー。

 戦闘力はかなり高めで、

 所有しているスペシャルも脳筋寄りのものが多い。

 ただ、完全脳筋ではなく、

 観察力と洞察力にも優れているという、

 かなり有能な女性。






 ・『アクバート・ニジック・J・ヤクー』


 九華十傑の第十席序列一位。

 元長強。


 戦闘力に関してはかなり高く、

 息子であるジャミと同じく、

 かなり特別な資質、

 『希望喰らい』という『上の中くらいのゴールドスペシャル』を持つ。

 希望喰らいは、相手の絶望値に応じて、相手の能力を低下させ、自分の能力を上昇させるスペシャル。


 炎系が得意で、

 耐性もそこそこ高いが、HPはそれほど高くない。

 『ダンテレイ』という超高火力の必殺技がメインウェポン。

 『EZZパニッシャー』がサブウェポン。

 アクバートのEZZパニッシャーは、

 パメラノのソレとは性質がかなり異なり、

 火力特化な調律がなされている。


 演説能力が高く、

 民衆を扇動する能力にたけているが、

 政治力が優れているというわけではない。


 狡猾かつ残忍な性格をしているのだが、

 それを自制する精神力を持ち合わせているため、

 問題を起こす行動はとらない。

 (単純な人間関係で、ちょいちょい問題はおこすが、大問題になることは……少ない)


 非常に優れた能力を持つのだが、

 いろいろと不安定な資質も持ち合わせている。

 もし、ゼノリカが存在しなければ、

 非常に危険な独裁者になっていた可能性がある。


 環境しだいによっては『ヤバい悪魔』にもなりえたが、

 ゼノリカが存在していたため、

 「神の剣」の一本として、世界に貢献できている。


 もし、彼が、第2~第9アルファ以外で生まれていたら、

 99%ほどの確率で「非道な魔王」になっていた。

 (彼の精神力は、ゼノリカという魂の支えがあってこその資質)



 そして、その場合、息子であるジャミによって倒されてしまう。

 「魔王の息子である勇者によって世界が救われる」という、

 お約束な展開になる可能性を孕んでいたが、

 ゼノリカのおかげで、親子ともども、世界を守る剣に成れたという、

 かなり珍しい存在。




 ちなみに、パメラノやジャミやアクバートなど、

 彼らの「奇妙な名前」は第二アルファにおいて、数少ない、天才型・希少種の証。

 第二アルファにおいても、親から名前をもらうのが一般的なのだが、

 ごく、まれに、生まれた瞬間から名前を持っている者が生まれてくる。

 ※ アイ系で確認すると、命名される前から名前がついている。

 その希少性は、遺伝することが多いが、遺伝しないこともある。

 例外なく、ステータスが高く、特別な資質を持っている。


 彼らは「御伽族(おとぎぞく)」と呼ばれており、

 第二アルファにおける貴族的な立ち位置にある。

 「貴族」という「正式な家系・体系」があるというより、


 ――「御伽族」は、特別な教育を受け、「支配者層」に加わるというのが、第二アルファにおける基本的なルールといった感じ。

 『ニュ〇タイプは、優先的に政府運営に参画する権利を持つ』みたいな感じである。


 ※ ゾメガの場合、ロギアネームであるため、少し例外だが、系統は同じで、ゾメガも御伽族。






 ・『ヒッキ・エイストレイジ』


 九華十傑の第十席、序列9位。


 メイン職業「ヘルパー」

 サブ職業「万事屋」「アシスタントディレクター」「アシスタントマネージャー」



 自分がメインになることを望まない、助手気質。

 他者のサポートを得意とする……というより、

 他者のサポートでしか真の力を発揮できない。


 非常に汎用性が高いサポート職。

 「無人島に誰か一人連れていくなら?」のランキングで、

 かなりの上位をとる便利な男。


 人格に致命的な問題があるが、

 しかし、芯の部分は高潔。


 元ライラ。

 「アンドロメダ」になると力が発揮できないと理解できていたため、

 昇格できるチャンスをことごとく辞退してきた結果、

 ライラのまま天上に昇格するという珍しい出世をした。

 とはいえ、十席には、長強・UV1・アンドロメダを経ていない者もそれなりにいるので、そこまで突出して珍しいとは言えない。



 武力は平均的。

 「戦闘力中の中」「存在値320」と、

 決して強くはないが、さほど弱くもないという、

 ちょうど、中間の位置にいる。



 「オーラドール・ラバー(分身系の魔法を強化する)」というゴールドスペシャルを持っているため、

 非常に強力なオーラドールをつくりだすことができる。


 もし、十席以下が総出でことに当たらないといけない問題に直面した場合、

 ヒッキは「最大限のオーラドールを作成して全体の補佐に回す」という契約をゼノリカと交わしている。

 十席以上の神々が出張らないといけない問題の場合は要相談。






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