究極超神化6は、

 究極超神化6は、


「とことん、コピーか……。そこまでいけば、もはや、大したものだと感嘆できる。ハンパなコピーは『目障(めざわ)りな贋作(がんさく)』だが、それだけ突き詰めれば『超級の芸術』たりうる」


 そう声をかけたセンに対し、

 バンプティは、

 涙を流しながら、


「ああ、主よ……尊き主よ……『ほんのわずかな時間』の、それも『象(かたち)だけ』ではございますが、『同じ領域』に立てたことで、私は、今、あなた様の『遠さ』を理解することが出来、それゆえに、心底から震えることが出来ております。涙を流せるのです。この幸運に感謝します。狂おしいほどに、私の魂魄は、今、あなた様の輝きで満たされている」


 とまらない涙と、

 震える体を懸命に支え、


「ああ、主よ……どれだけの言葉で飾ろうと、この想いを形にすること叶わず。けれど、しかし、だからこそ、私は、魂魄の器に心を込めて、あまねく命の限り、偉大なる『主の御心(みこころ)』をうたうのでしょう。……リラ・リラ・ゼノリカ……」


「讃美歌は勘弁してほしいが、しかし、『お前がたどり着いてくれた』というコトに関しては、素直に感謝を述べておこう」


 そう言うと、

 センは、


「……よくぞ、届いてくれた……」


 ボソっとそうつぶやくと、


「心から……」


 ニっと太陽のような笑顔で、


「感謝する……」


 そう言うと、

 全身のオーラと魔力を調和させていく。


 際限を見失ったように、

 グングンと、魂魄の出量が上がっていく。


 燃えるような白銀の輝き。

 その煌めきを優雅に整えながら、


「俺の究極超神化6は、無数のスタイルを状況に合わせて切り替えていくカウンター戦術が基本」


 丁寧に、暴露を積んでいく。


「スタイルの種類は五種類。汎用性とクリティカル率重視のスピリットプラチナ・フォルテシモ。デバフとスピード特化のスノープラチナ・メトロクロック。クールタイムと魔法攻撃力重視のゼットプラチナ・オメガコール。バフと剣技に特化したソードプラチナ・エターナル。それと、発動条件が厳しい隠しスタイル。その五種類」


「その暴露は、隠しスタイルの発動条件の一つですかな、尊き主よ」


「ああ。だが、この暴露は、隠しスタイルを出すためだけのアリア・ギアスじゃない。隠しスタイルは、えぐいほどピーキーで、決して『使い勝手がいいスタイル』じゃない。状況次第じゃ無敵になれる力だが、状況が合っていないのに無理をして出すスタイルじゃない。フルマラソンしている時に、100メートル走の記録は必要ないだろ? そんな感じだ」


 そう前を置いてから、


「俺が積む暴露は、基本的に、俺の『全て』をサポートできるよう設定してある。無駄は積まねぇ。俺のビルドにノイズはいらねぇ。俺の行動は、すべてが、勝利をつかみ取るためのワナ。俺が積んできた200億1万年が、酔狂ではあっても、伊達じゃねぇってところを見せてやる」


 武の化身となりて、


「さあ、構えろ。ヒーローの舞い方を教えてやる」


「ひどく役者不足ではございますが、お相手させていただきます、尊き主よ」


 そう言って、両者は、向かい合った。


 互いに武を交わし合う。

 恐ろしく高次の戦闘。


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