罪帝ヒミコ。

『前書き』

「センエースwiki」というサイトが公開されました。

そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。

「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*)





 罪帝ヒミコ。


「な、なぜ……私の『名』を……」


「知っているのかって? もちろん、知っているさ。この世界の事なら、たいがい知っている。なんせ『創っているところ』を『隣』で見ていたからさ」


「……創っているところを……見た……?」


「ああ、だから、小説にまとめられるくらい、この世界については理解している」


「は、はは……」


 ヤマトは、苦い顔で笑って、


「まるで、神様のようなことを言う」


「勘違いするなよ、罪帝ヒミコ。俺はお前らの造物主ではない。お前らを創ったのは『俺の知り合い』だ。もっとも『俺のやり方』を『模倣』したワケだから、100%関係がないとも言い切れないがね」


「……」


「理解できないという顔をしているな、罪帝ヒミコ。心配するな。お前が理解しなければいけない箇所など一つもない」


 そうつぶやくと、

 ゲンは、そこで、

 自分の両手や両足、

 全身を観察しながら、


「……ほむほむ……崩壊にビビりすぎたあまり、制御システムにリソースを裂きすぎたな……現状だと、出せる力は……『30~50パーセント程度』が限界くさい……いや、この感じだと『10%』……『それ以下』の可能性もある……ま、別にいいけど……なんも問題ねぇし」


 そう言いながら、

 自分の頭に右手をあてて、


「とりま、ゲン・フォースの人生に、『俺』の記憶は邪魔すぎる……とはいえ、ゲン・フォースの物語を『楽しく』するために、ほんの少しくらいは、残しておきたいところ……あ、いや、やっぱり……んー」


 ブツブツ言いながら、


「まあ、こんな感じかな……」


 そう言うと、頭から手を放して、

 スっと、その視線をヤマトに向けて、


「俺の方の調節は終わり。次はお前だ。……正直な話、そのムサい姿じゃ『楽しくない』な……」


 そう言った直後、

 ヤマトの視界から、ゲンの姿が消えた。

 音も気配もなく、

 完全に姿を消してしまったゲン。


 ヤマトが、反射的に周囲を見渡そうとした、

 その時、


「ぅ……」


 体がしびれて動かなくなった。

 指一本、動かすことができなくなったヤマト。


 そんなヤマトの背後に回っていたゲンが、

 『ヤマトの左手にはめられている腕輪』に、手をかざした。


 すると、ポォっと淡く光り、

 直後、

 ヤマトの姿がスゥゥっと変化していく。


 手足のヒョロ長さや切れ長の目など、

 身体的な特徴はそのままだが、

 『明らかに少年』の姿だったものが、

 『明らかな少女』の姿へと変貌する。


 不健康さを感じさせていた病的な白さは、磨きぬかれた白磁の肌に、

 男の子らしい短髪だった髪がスゥと伸びて、あでやかな輝きを放つ。

 骨格も、筋肉も、直線的だったものが、しなやかな曲線へと変わり、

 喉仏もひっこんで、声質が、かなり高く澄んで、通るようになった。


「やはり、その姿の方が、見栄えがいい……せっかくエロ美しいのだから、下手に歪ませなくていい」


 そう言うと、ゲンは、パチンと指を鳴らした。


 すると、ヤマトの体を縛っていた魔法がとけて、

 ヤマトは自由になった。


 動けるようになった直後、

 ヤマトは、自分の胸と股間に手をあてた。


 5年つきあったコトでようやく慣れてきた『男の象徴』が完全に消滅し、

 かわりに『同年代と比べると、かなりボリュームがある胸部』が追加された。

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