・神字について(補足)

・神字について(補足)


 神字は、イメージ的にはIOT(通信機器以外の全てのモノにも通信機能をもたせること)であり、

 物体に対し、

 ・「神字回路と呼ばれる特異ニューラルネットワーク」と

 ・「神界のビッグデータに対する限定的アクセス権」をあたえるもの。

 


 言語としての形態は、オブジェクト指向の関数型。

 管理システムが「厳格」かつ「ほぼ完全」であるため、パラダイムシフトは起こりえないが、

 下記に記す特徴があるため、局所的なパラダイムには大きな差異があり、

 「似たようなソース」は存在しえない。


 まず神字には、

「俺がやりたいことを、いい感じにくみとって、うまいこと調整してくれ」

 というおおざっぱな命令でも実行可能な「上位神字」が存在し、

 それは、その一文字そのものが「超AI(神工知能と呼ばれる)」のようなもので、

 神字によるプログラムのフレームワークとなっている。


 ちなみに、「神工知能」は既存のものを代用するわけではなく、

 「書き込む者の記憶や技能や性格」をコピーした「疑似人格」を使用するため、

 書き込む者の「基本スペック」や「社畜耐性」が低い場合、成果は低くなる。


 つまりは、神字を利用した際、神工知能は、一様に、

 神字用の回路やデータを利用することは出来るが、

 「どのようにアクセスするか」と「取り出した情報をどう扱うか」は書き込む者のセンスによって変動する。


 フレーム問題やシンボルグラウンディング問題に対する不安はないのだが、

 「検索が下手」とか「情報の取捨選択が苦手」の場合、当然、結果は散々なものになる。

 また「機械的作業(無限労働)」も、理論上は可能なのだが、

 「実際に行うか否か」は神工知能の「性格」しだい。


 「明日やろうが口癖の怠け者」のデータをコピーした神工知能だと、

 「いつまでたっても仕事をしてくれない」という悲劇が起こる。


 ちなみに、この辺の「問題点」に関しては、システム自体に、

「超高次のアリア・ギアスが組み込まれている」

 というカプセル化が施されているため、書き換え不能。


 高性能な演算能力を持つ者の疑似人格をレンタルするようなマネはできない。

  特別な方法を使えば、それも不可能ではない。

 ↑神字における「神工知能」のイメージは、シュタゲゼロのアマデウス。




「俺がやりたいことを、いい感じにくみとって、うまいこと調整してくれ」

 は一例にすぎず、


「ここで使用するアルゴリズムはフィーリングで、うまいこと進めて」

「大胆かつ繊細な感じで、ただ、あんまりソリッドがすぎるのは好みじゃないからね」

「こう、グーンときて、バーンな感じで。わかるだろ?」

「あー、もう、なんか、わかんなくなってきたから、とにかく一番いい感じで」


 といった「ナメてんのか?」と言いたくなるほど「ザックリにもほどがある命令」すらできる便利上位神字なども複数存在する。


「あー、もう、なんか、わかんなくなってきたから、とにかく一番いい感じで」

 を調律するための、

「ちょっと違うなぁ、そうじゃなくて、もっとこう、アレな感じのいい感じで」

 と命令する神字も存在し、

 さらには、それを調律する

「まだ、ちょっと違うなぁ、こう、もっと、ファンタスティックでアーティスティックな感じで」

 と命令する神字も存在する。


 上位神字は、それそのものがパッケージであり、

 わざわざ、メモリを減らしてまで「調律用の上位神字」を使わなくても、

 上位神字の中身を自力で微調整することも可能だが、

 それを成すためにはきわめて高度な技能(スキル)が必要。


 ちなみに、上位神字は、多用しすぎると、効果が下がるため、

 乱発するものではなく、要所要所でちょこちょこ使っていくものである。

 上位神字には、「この回数までなら効果低下の影響が少ない」というラインがあり、

 その辺をふまえながら書き込んでいく。

 上位神字をまったく使わない方が効果の最大値は大きくなるが、

 使った方が、プログラムがスムーズに動くため、

 基本的には使用されている。



 ちなみに「敵の行動を分析して、最適解の対処方法を導き出せ」

 といった命令ができる神字もあるが、その処理は、メモリもくうし、

 どう頑張っても「ほんのわずかなタイムラグ」が発生してしまうため、

 長年の経験により「反射の速度」で対処法を導き出せるようになると使われなくなっていく(超上位者同士の闘いだと、ほんのわずかな処理遅延が決定的な敗北原因になりえるため)。

 そのため、神界の深層では、その神字をつかっている者は二流だとさげすまれる。

 

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