奇異がすぎる反町。

奇異がすぎる反町。


 閃が、


(真・第一アルファの続き……履歴を見る感じだと、毎週土曜日の朝に次話を投稿している感じだな……いいねぇ。毎週投稿は非常に好感が持てるねぇ)


 などと、心の中でつぶやいていると、

 隣の席の『反町(そるまち)』が、


「なあ、閃。今日、みんなとカラオケいくんだけど、お前もいく?」


 その発言に対し、

 閃は、まっすぐな視線で、


「非常に魅力的な申し出だ。ゆえに、いきたくないと言えばうそになる――なんてね♪」


 お茶目な顔でそう言う閃に、

 反町は、


「……違うなぁ」


 と、渋い顔で、首をかしげながら、ボソっと、そうつぶやいた。


「……ぁ? 違う? 何が?」


 閃が抱いた当然の疑問。

 だが、閃の疑問など完全にシカト状態で、

 反町は、こめかみを右手で抱えて、ぶつぶつと、


「そうじゃないんだよなぁ……そこでのセリフは『いくわけねぇだろ。俺をナメんな』なんだよなぁ」


「……何、言ってんだ、お前。大丈夫か? ……寝言は、出来るだけ、寝ている時に言った方がいいぞ。人格とか精神状態とか、いろいろと疑われるから」


 心配そうな顔をしている閃に、

 反町は、


「仕切り直しだ。テイク2。次はうまく決めろよ、閃」


「なにを?」


 けげんな顔をしている閃に、


「なあ、閃。今日、みんなとカラオケいくんだけど、お前もいく?」


「おいおい、無限ループに入っちゃったよ……マジで、鬼怖いんですけど……なに、これ? どういう状況? 世にも奇妙なタイプのアレ?」


 などと、ドン引きしている閃に対し、

 反町は、しぶい顔で、

 天を仰ぎ、


「ちっ……話にならんな……」


 と、かなり大きめの舌打ち交じりに吐き捨てる。


「反町、お前だ。話にならないのは、一から十まで、完全にお前だ」


「……もろもろズレすぎなんだけどなぁ……でもなぁ……」


 閃の『当然の切り返し』など耳にも入っていない様子の反町は、


「時間もないし……仕方がない。閃……いったん、ここまでの流れはリセットだ。シーンBに行く」


「……どこにでも好きに逝(い)ってくれ」


 そう言って、教室を出ていこうとする閃の腕をつかみ、

 反町は、


「閃! いいか、耳をかっぽじって、よく聞け! 俺は……俺はお前の孤高力を全力でナメている!」


 と、なんの脈絡もなく、そんなことを言い出した。

 本当に、何がしたいのかサッパリ不明。

 ゆえに、当然のように、閃は、渋い顔で、


「……どうした? もしかして、薬でもやってんのか? やめとけよ、薬は怖いぞぉ」


「お前が言うな!」


「……真剣な顔で、妙なことを口走るんじゃねぇ。この状況を『俺について知らんヤツ』が見たら、マジで俺が薬をやっていると勘違いしそうな勢いじゃねぇか」


 困惑に困惑が重なっていく閃。

 そんな閃の態度を受けて、反町は、


「くそっ……ダメだ! こいつ、マジでダメだ! はやくなんとかしないと!」


 あまっている手で頭を抱えて、さらにワケのわからんことをほざく。


 当然、閃は、苦い顔で、


「もう……マジで、これ、どういう状況? お前は、俺に、どうしてほしいんだよ。さっぱり見えてこねぇ。つぅか、マジで、腕、離してくんない? ほんと、普通に怖いんだけど。俺、もう帰りたいんだって。39分の電車に乗りたくて仕方ない感じのアレなの」


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