学園生活
学園生活
先頭に立って指揮をしているトウシの姿を見ながら、
センは、
「はは……わかるぞ、トウシ。今の、お前の気持ち……」
つい、笑ってしまっていた。
「めんどくせぇだろ。鬱陶しいだろ。お前は俺と同類の欠陥人間。だから、周りにたくさんの人がいるのは、ダルくて仕方がないはずだ……」
ボソボソと、
「だが、捨てられない……俺も同じだった。ゼノリカという組織を勝手に創られて、勝手に祭り上げられて、気付けば、引き返せなくなって……」
昔を思い出しながら、
「背負っているモノの重さが理解できるだけの頭があって、背負えるだけの力があって、だから、色々な責任を果たしながら、歯を食いしばって、『それでも』と、喉をからして叫びながら……」
センは、天を仰ぎ、
ふぅと息を吐き、
「トウシ……俺が背負ってきたものが分かるか? 俺が背負ってきたのは、100人程度の命じゃねぇぞ……何千、何万、何億……それ以上……数え切れないほど多くの命を背負って闘ってきた……」
そこで、グっと奥歯をかみしめて、
「そう簡単に超えられると思うなよ。お前は確かに天才だが……俺は確かに無能だが……俺が積んできた軌跡は、チートな才能ごときに負けはしねぇ」
「めちゃめちゃ想いをむき出しにしていまちゅねぇ……でも、その相手って、現世の中学生なんでちゅよねぇ……」
「……なにか、言いたい事がありそうだね、シューリくん。聞こうじゃないか。遠慮せずに、言いたまえ」
「みっともなさすぎて吐きそうでちゅ」
「うっせ、ばーか、ばーか!」
★
10階に到達すると、
そこは、学校の校舎のような建物が乱立している空間だった。
エレベーターの前では、スーツ姿に衣替えしたアダムが待ちかまえていて、
「さっそくだが、第二イベントを開始する。第二イベントの内容は、学校生活だ」
「……はぁ?」
「また、わけのわからんことを……」
「今から、貴様らには、この学園都市で生活してもらう」
トウシ(今度は、禁書か……パロディ好っきゃなぁ)
ナツミ「ぁの……イベントが学園都市で生活って……意味がサッパリ分からないのですが……」
「この学園都市では、すでに死んでしまった30000近いカス共の『魂の鏡像(本物ではないコピー。つまりはソウルレリーフ)』が学園生活を行っている。全員が携帯ドラゴンを所持しており、『この学園での課題で、お前ら以上の好成績を取れば蘇れる』と嘘の情報を与えられている」
岡葉「……ど、どこまで最低なんだ」
雷堂「ひどすぎる……」
「貴様らのクリア条件は、この学校で行われる様々な課題で、『30000近いバカ共』以上の成績を取り続けること。具体的には、その時点で残っている貴様らの数と同じ順位内に残り続けること。――今でいうと、『92位』以内に入ることだな。やつらは生き返ろうと、文字通り、死に物狂いで92位以内に入ろうとしてくるぞ。ちなみに言っておく。バカどもに『本当は蘇れない』と教えてやるのもいいが、やつらは絶対に信じない。やつらには、そこしか『魂の拠(よ)り所』がないからだ」
ホウマ「ぴよぴよ(まあ、敵である私たちから言われても、ウソだと思うわよね)」
ツカム「ちなみに、その『課題』とはなんですか?」
「いろいろだ。携帯ドラゴンの強さに主軸をおいたテストもあるし、普通の数学テストなどもある」
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